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日本人初の経済学賞持ち越し 米の清滝教授、有力候補に

2010年10月13日7時1分

写真清滝信宏プリンストン大教授=09年10月11日、専修大(川崎市)で開かれた日本経済学会、橋本幸雄撮影

写真記者会見するピサリデス英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス教授=有田写す

 物理学や化学など6分野あるノーベル賞の中で、日本人受賞者がいないのが経済学賞だ。ただ、今年は米プリンストン大でマクロ経済学を専攻する清滝信宏教授(55)が有力候補として浮上。来年以降も注目を集めそうだ。

 清滝氏が注目されるようになったのは、ノーベル賞の受賞予想者を発表している米トムソン・ロイター社が今年、清滝氏を候補に挙げたのがきっかけ。同社が過去30年分の論文の引用回数を調べたところ、清滝氏とロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのジョン・ムーア教授が1997年に共同発表した論文が最も引用されていたという。

 この論文は、金融危機のような一時的なショックがなぜ実体経済の長期的な停滞をもたらすのかを考察したもの。日本経済がバブル崩壊後に長期停滞に陥ったことから、本格的な研究を始めたという。

 清滝氏は、東大時代に宇沢弘文名誉教授のゼミに所属し、米ハーバード大で博士号を取得。大阪府が地盤の旧池田銀行(現池田泉州銀行)の創業者一族で、父の一也氏は元池田銀頭取。講義では「父はこうやってお客にお金を貸していた」と家業を引き合いに出すこともあったという。

 経済学賞を受賞したピーター・ダイヤモンド氏ら3人は62〜71歳だが、清滝氏はまだ55歳。ゼミの同期生の宮川努・学習院大副学長は「経済学者の評価が固まるのは自然科学と違って時間がかかる。若い清滝氏は今後に期待できる」と話す。(鯨岡仁)

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