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米、核撤去へ欧州と協議 軍縮推進、関連支出削減も

2011年7月15日3時2分

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図拡大欧州のNATO加盟国に配備されている米軍の核兵器

 「核兵器のない世界」を目指す米オバマ政権が、東西冷戦期から欧州に配備する戦術核兵器の完全な撤去について、北大西洋条約機構(NATO)加盟国と協議していることが分かった。撤去が実現すれば、米ロの核軍縮交渉にもはずみがつく可能性がある。

 核軍縮政策を担当する米政府高官が、朝日新聞の取材に明らかにした。米政府が戦術核撤去を検討する背景には、オバマ大統領が唱える核軍縮政策の推進となるうえ、財政難の折、年間数億ドルとされる配備関連支出の削減にもつながるといった事情もある。

 米ロが保有する核兵器は射程の長い戦略核、比較的短い戦術核、保管中や廃棄待ちの核弾頭に大別される。米ロは戦略核について配備数を1550発以下とする新戦略兵器削減条約(新START)を今年発効させた。

 オバマ政権は、戦術核や保管中の核についても削減を進める方針だ。しかし、戦術核をめぐる交渉は、ロシアが「ドイツやベルギーなど欧州5カ国に配備される米国の戦術核の撤去まで始めない」としていることもあり、開始のめどが立っていない。

 高官によると、米国はロシアとの交渉入りに向け、戦術核を含む欧州の戦力のあり方についてNATOの「抑止力と国防力の態勢見直し」の枠組みで、関係国と協議を進めている。高官は、欧州の戦術核撤去がこの協議の「核心の議題」で、「今後数カ月、徹底的に協議し、来春(5月)に米シカゴで開かれるNATO首脳会議までに結論を出す」と述べた。

 「この協議では、『抑止力』は通常兵器、ミサイル防衛(MD)、米本土に配備する核戦力を広範に含むものと定義する」とも言明。欧州に対する攻撃の抑止で、戦術核の配備にこだわらない姿勢を示した。米政府は戦術核の撤去を視野に、核政策の指針である「核戦略見直し」(NPR)の修正作業にも着手したという。

 米国は、冷戦期には旧ソ連を標的に、欧州に最大で7千発を超す核を配備していた。冷戦後は必要性が低下し、配備国は関連軍事費を負担しなければならないため、ドイツを含む複数の国が撤去を求めている。(ワシントン=望月洋嗣)

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