|
6月9日に約半年ぶりに新潟港に入港する北朝鮮の貨客船・万景峰(マンギョンボン)号に対し、政府は、客室への立ち入り検査や税関職員の増強など対応を強化する。先の日米首脳会談で小泉首相が表明した「より強硬な措置」の一環。麻薬などの密輸やミサイル部品などの違法な持ち出しを阻止するため、現行法でどんな規制をかけることができるか検討を進める。
首相は28日の衆院予算委員会で「覚せい剤など麻薬の密輸については北朝鮮当局が関与しているのではないかとみられる事案がかなり起こっている」と指摘した。政府は29日、関係省庁の局長級の対策会議を開く。
万景峰号の初入港は93年。それ以降、日本側による入管検査なども形骸(けいがい)化していたとされ、政府は今年1月の入港時に出入国管理や入港時の積み荷チェックなどを改めて徹底、乗員の上陸禁止にも踏み切った。以来、入港は途絶えていたが、23日に北朝鮮側から新潟県に6月9日から9月までに10回の入港予定表が提出されたのを受け、各省庁は現行法制でどのような検査が可能か洗い出しを急いでいる。
国土交通省は6月の入港時に「ポートステートコントロール」(PSC)と呼ばれる船内の検査を実施する方針。PSCは、主に新造船を対象に救命胴衣が規定通り備えられているかなどを調べるのが目的。万景峰号には初入港時に実施されてからは行われておらず、今回は10年ぶりの措置になる。客室内への立ち入りも検討しており、近く北朝鮮に事前通告する。また財務省は新潟港を担当する税関職員を臨時増強する考えだ。
一方、新潟県選出の自民党国会議員は28日、福田官房長官を首相官邸に訪ね、万景峰号の入港を拒否するよう求める要請書を手渡した。入港許可権限は港湾管理者の平山征夫・新潟県知事にあるが、知事は「政府が判断すべきだ」としている。
(05/29 01:23)
|