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【北朝鮮核問題】
 
「危うい船」排除へ国に入港拒否の権限 国交省が新法案

 国土交通省は、国際的な安全基準を満たしていない船を領海内で停船させ、海上保安官らが立ち入り検査したり国が入港を拒否したりできる新法案をまとめ、秋にも見込まれる臨時国会に提出する方針を固めた。テロ対策などが盛り込まれた改正・海上人命安全条約(SOLAS条約)が来夏に発効するのをにらんだもので、武器や麻薬の密輸などの犯罪防止が狙い。同省は、座礁の際に撤去費用などが支払われる「船主責任保険」に未加入の船の入港を拒否できる新法の制定もめざしている。北朝鮮籍船の安全性が問題となる中、二つの新法で日本沿岸から「危うい船」の排除が可能となる。

 新法は「海上セキュリティー対策法」と「入港外国船舶保険強制法」(いずれも仮称)。現行の国内法には、安全基準の不備や保険の未加入を理由にした、国の入港拒否は明記されていなかった。保険強制法案は、次期通常国会に提出する。

 セキュリティー対策法案によると、入港の24時間前に(1)船籍国が発行した安全証書を携帯(2)保安担当者が乗船(3)犯罪者に乗っ取られた場合に港に通報する警報機を設置――などの保安基準を満たしていることを、船側から港を管理する自治体に報告させる。

 基準を満たしていない可能性があれば、入港前の洋上(日本領海内=沿岸から約22キロ)で海上保安官が立ち入り検査を要求。拒否されれば直ちに国が入港を拒否する。港内に進入している場合は退去を命じる。検査で不備が判明した場合も、入港を拒否できる。

 安全基準の不備を理由にした入港拒否や洋上での立ち入り検査を定めた国内法はない。船舶安全法は、入港後に国交省の外国船舶監督官が「ポート・ステート・コントロール(PSC)」と呼ぶ船体の安全性を調べる検査の実施や、不備が改善されるまで出港を禁止することなどを定めているが、入港拒否は盛り込まれていない。

 富山県は6月、PSCの改善命令に従わなかった北朝鮮船の富山港への入港を事実上拒否した。この際、入港拒否を明文化した法律がないことから、県は「管理者は港湾を良好な状態に維持する」などと定めた港湾法や県港湾管理条例を適用した。富山や新潟などの沿岸自治体からは、保安上問題のある船や犯罪に関与した疑いのある船の入港を制限できる法律を求める声が出ていた。

 一方、保険強制法は、日本沿岸で座礁や放置される外国船の撤去費用を確保するのが目的だ。法案では、300トン以上の船を対象に、座礁や沈没の際の撤去費用や海洋を汚染した場合の賠償金などが支払われる「船主責任保険」の加盟証書がなく、日本の荷受会社や総代理店の連帯保証がなければ入港を拒否する。

 国交省によると、茨城県日立港で座礁した北朝鮮船など全国で12隻が放置されており、いずれも同保険に未加入。昨年1年間に日本に入港した外国船の保険加入率は72.5%で、入港上位30カ国・地域の中で最も低いのは北朝鮮(13位)の2.8%だった。同省幹部は「新法は特定国の排除が目的ではないが、北朝鮮船が現状のままなら入港は極めて難しくなる」としている。

                    ◇                    ◇

<SOLAS条約> 船舶の乗組員や乗客の安全を確保するため、船の構造、設備などの基準を定めた条約。1914年に採択され、今年5月現在、146カ国が批准している。01年の米国同時多発テロを受けて、02年末、船や港への不審者の侵入防止やシージャック発生を知らせる警報の義務づけなどテロ対策に関する改正が行われた。改正条約の発効は来年7月で、批准国は国内法を整備し、保安基準や対策などを明記しなければならない。米国は大量破壊兵器などの取引を封じ込めるため、日本や欧州などに船舶や航空機の臨検強化も呼びかけている。

(07/01 03:08)


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