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船体が軽く、高速で航行できるアルミ船の建造が急増している。01年末に東シナ海で海上保安庁と北朝鮮の工作船とが銃撃戦を繰り広げて以来、海上警備を強化する同庁が高速船の配備を増やしているためだ。景気の低迷で民間需要が伸び悩む中、緊張情勢を反映した思わぬ「特需」に造船業界は対応に追われている。
アルミ船は鋼鉄船より3割程度軽く、離島間を結ぶ高速旅客船などに使われていた。そこに注目したのが海上保安庁だ。周辺海域に出没している工作船は、海保の追跡をかわすため軽量・高速が特徴で、「対策には何より速さが求められる」(同庁船舶課)ためだ。03年度は繰り越し分も含め業界全体で10隻の巡視船艇を建造するが、8隻がアルミ船だ。
メーカー側は急ピッチで生産体制を強めている。三井造船玉野艦船工場(岡山県)は6月、国土交通省から国内企業で初めて、アルミニウム合金製船体製造事業場として認定された。製造途中の検査が簡素化され、短い期間で建造できる。「アルミ船需要は今後伸びる。数をこなせる態勢を取っておこう」(同社)との読みがあった。
同社は00、01年度のアルミ船受注は年1隻ずつだったが、02年度に5隻を受注。1隻は05年就航予定の超高速貨客船、4隻が巡視船艇だった。アルミの価格は同じ重さの鉄の10倍程度の高価格のため、溶接設備の新規投資や新技術の導入でコスト低減も図った。
NKKと日立造船の造船部門が統合したユニバーサル造船も、10月に神奈川県内にある両社の造船所を横浜市鶴見区に集約し、屋根つきのアルミ船専用工場を建設して、追い上げを図る。
海上保安庁が保有する巡視船艇448隻の3分の1弱が船齢20年を超えており、同庁は順次代替を進めていく方針。アルミ船需要は続きそうだ。
(07/28 23:43)
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