訪米中の李根・北朝鮮外務省米州副局長とカイザー米国務次官補代理(東アジア・太平洋担当)は9月30日、そろって出席したニューヨークでの国際会議で、核問題をめぐる個別の話し合いに臨んだ。米朝高官接触は、8月に北京で6者協議中に実現して以来。会議には、米朝のほか日本、韓国、中国の政府当局者も参加し5者による意見交換の場になった。次回の6者協議に向けて「李根氏が北朝鮮の前向きなメッセージを伝えた」との見方もある。
複数の関係筋が明らかにした。国際会議は29、30の両日、ニューヨークで全米外交政策会議(NCAFP)が主催。南北朝鮮と日米中の5カ国の政府当局者、専門家らが北朝鮮の核問題を話し合った。その席上、29日に続いて出席した李副局長と30日だけ出席したカイザー次官補代理が、休憩時間を利用して会場の隅で接触した。
これに先立ち、29日には別の米政府当局者と李副局長が短時間ずつ複数回にわたって個別に話し合うところも複数の出席者が確認している。この当局者は北朝鮮問題の専門家で、翌30日の高官接触に備えて李副局長の出方を探る狙いもあったものとみられる。
今回の会議で李副局長の発言を聞いた複数の出席者は「北京の6者協議で金永日外務次官が語った内容よりも軟化している」と指摘。高官接触でも次回の6者協議に向けて柔軟な姿勢を示したとの見方が出ている。
李氏は4月に北京で開かれた米朝中3者協議に北朝鮮の首席代表として参加。ケリー米国務次官補(東アジア・太平洋担当)を強引に1対1の会話に引き込み、核兵器の保有を宣言。8月の6者協議にも代表団のナンバー2として参加した。
(10/01 15:08)
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