国際原子力機関(IAEA)は28日、核兵器計画廃棄を表明したリビアで、トリポリ近郊にある未申告の核施設4カ所を訪問、核計画の全容解明と全面廃棄に向けた査察活動を開始した。
現地からの報道によると、施設はいずれもIAEAが存在を知らなかった核施設。査察団を率いるエルバラダイ事務局長が29日、語ったところによると、リビア側は、ウラン濃縮に使われる遠心分離器などの施設を見せ、入手先については「闇市場で調達した」と語ったという。事務局長は「非常に初期段階のもので、この段階で(破棄が表明され)現地に来られてよかった」と述べた。
また、強制的な査察を受け入れる「追加議定書」の締結については、リビア側が29日までに、署名、批准を待たずにすでに発効したと見なす「暫定適用」を受け入れ、今後の抜き打ち査察や未申告施設への査察を認めたことを明らかにした。
査察団は28日の施設訪問後、リビア側関係者から、過去の核計画に関する詳細な経緯を聴取した。今後、さらに訪問が必要な施設や、事情聴取が必要な関係者を洗い出し、核計画の完全廃棄を検証するための査察計画を策定する。廃棄完了までには少なくとも数カ月かかる見通し。
(12/29 23:01)
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