北朝鮮外務省の李根・米州副局長が米国の民間研究所に異例の寄稿を行った。米朝両国が「同時に銃を下ろして平和共存を」と呼びかける一方で、「米国が時間稼ぎをすれば、それだけ私たちは核抑止力を強化する時間を得る」と警告している。
ニューヨーク勤務の経験もある李氏は、北京で昨年4月にあった米朝中3者協議で北朝鮮の首席代表を、同年8月の6者協議では次席代表を務めるなど、北朝鮮でも有数の米国通とされる。昨年12月、「核の疑問を解決する要件」と題した文章をワシントンの国家政策センターに寄稿。同センターが公開した。
その中で李氏は「米国が敵視政策を放棄して安全が保証されれば、私たちが製造済みの核兵器についての議論ができる」と述べ、核兵器の保有を明言した。そのうえで、米国が「敵視政策」を放棄したかどうかの判断基準となる行動として(1)安全を保証する(2)国交を結ぶ(3)日韓などとの経済取引を邪魔しない――を挙げた。
さらに「(米国の)聞こえの良い声明も信用はできない」「イラクは国連査察を受け入れ、大量破壊兵器の証拠が見つからなかったのに攻撃された」などと述べ、不信感を強調。「経済的に困難な状況にもかかわらず、米国の核の脅威をまねるという代償を迫られている」と苦しい立場も示唆した。
(01/14 23:42)
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