ケリー米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は15日、上院外交委員会で証言し、北朝鮮の核開発問題をめぐる6月下旬の第3回6者協議で北朝鮮側が示した「核凍結」提案について「具体策に欠け、多くの重要項目があいまいだ」と批判、「合意にはほど遠い」との厳しい見方を示した。
ケリー次官補は、核兵器に関連する全施設の活動凍結、核兵器の生産、移転、実験の凍結を約束した北朝鮮側の提案について、▽03年以前のプルトニウム抽出、核兵器生産、ウラン濃縮計画が含まれていない▽凍結の検証機関として国際原子力機関(IAEA)を排除し、6者協議参加国による新機関の創設を求めている――と批判した。
その上で「特に、凍結や廃棄の対象としてウラン濃縮計画を含めることが極めて重要だ」と語った。
一方で、北朝鮮が「凍結」を核廃棄の道筋への第一歩だと認めた点など「いくつかの前向きの要素がある」と指摘。北朝鮮側が、寧辺の原子炉を核兵器用の施設と明確に認めた▽民生用の核計画を維持したいと述べる半面、核計画の大半が兵器関連のものであることも認めた――と証言した。強硬な姿勢を改め、米国側が指摘してきた事実関係を認めつつあるとの見方を示したものだ。
前回の6者協議の中で北朝鮮側が言及した「核実験実施」の威嚇発言については「北朝鮮国内には、だれとは言わないが核実験を実施したがっている人たちがいる。協議が進展しなければおそらく実験に踏みきるだろう」との表現だったと証言した。
(07/16 13:49)
|