米国務省は16日、北朝鮮国連代表部の朴吉淵(パク・キルヨン)大使と韓成烈(ハン・ソンリョル)次席大使が申請していたワシントン訪問を許可することを決めた。02年10月の米朝高官協議で北朝鮮のウラン濃縮計画が発覚して以来、初めてとなる。両大使は20日、民間団体が米議会ビルで主催するセミナーに出席するほか、上院外交委員会のルーガー委員長(共和党)らと面会する方向で調整が進んでいる。
ニューヨークにいる北朝鮮の両大使による米国の首都訪問再開は、米朝双方が核問題の解決に向けて新提案を示した6月の6者協議や7月の米朝外相会談に続き、米朝関係が改善の兆しを見せていることを象徴する動きとなりそうだ。
両大使はこれまで何度かワシントン訪問を申請してきたが、他国の国連大使がそろって招かれる年1回の「全米祈りの朝食会」に出席するための訪問も、02年10月以降は却下されてきた。
今回は、北朝鮮との対話を促してきた上院外交委員会の重鎮ルーガー委員長やバイデン前委員長(民主党)が国務省に水面下で働きかけた。また、米大統領選の民主党候補になるケリー上院議員が、ブッシュ政権の対北朝鮮政策に批判を強めていることを意識して、平和解決に向けた努力を尽くしているとの姿勢を強調する狙いもあるとみられる。
韓・次席大使は、北朝鮮外務省きっての米国通とされ、米国務省との窓口役を務めてきたほか、6者協議の第2回と第3回の会合にも出席した。米国と外交関係がなく、「テロ支援国家」にも指定されている北朝鮮の政府当局者は、ニューヨークから米国各地に移動する際に国務省の許可を必要とする。
(07/17 16:32)
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