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【北朝鮮核問題】
 
北朝鮮の爆発、憶測呼ぶ 軍やミサイル関連?

爆発現場と北朝鮮の主なミサイル基地
爆発現場と北朝鮮の主なミサイル基地

大規模な爆発が起きたとされる両江道金亨稷郡一帯の衛星写真
大規模な爆発が起きたとされる両江道金亨稷郡一帯の衛星写真。00年9月に撮影された。上の円内は金亨稷郡の中心部、下の円内はミサイル基地のある嶺底里とされる=AP

 北朝鮮北部の両江道(リャンガンド)金亨稷(キムヒョンジク)郡で今月8日から9日にかけて起きたとされる爆発は何だったのか。軍事施設の多い山岳地で立ち上ったという「キノコ雲」をめぐり、ミサイル関連の事故から反乱説まで様々な憶測が飛び交っている。米韓両政府は騒ぎの広がりを懸念して「核関連の爆発ではない」と重ねて確認。北朝鮮側は「水力発電所建設のための発破だった」と説明したが、真相は見えないままだ。

 13日、韓国国会で開かれた南北関係発展特別委員会。鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一相は爆発について「核実験と関連づける何の根拠もない」と歯切れ良く否定した。しかし、では何の爆発だったのかについては言葉を濁した。

 米・韓側で、まず可能性が指摘されているのは、ミサイル開発や軍事施設に関連した爆発だ。金亨稷郡は、北朝鮮の中距離弾道ミサイル・ノドンを配備した嶺底里(ヨンジョリ)地下基地のほか、地下弾薬庫など秘密軍事施設の密集地域とされる。

 米政府筋は朝日新聞に対し「ミサイルに絡んだ事故との見方が現時点では有力だ」と語る。現場に近い基地では、昨年暮れにもミサイルエンジンの実験装置が爆発を起こすなど何度かの事故が観測されていた。いずれも「設備の管理不足や機械の故障、人為的ミス」だったとされる。

 今回の爆発現場は基地から10キロほど離れているが、搬送中のミサイル燃料が爆発した可能性もある。また、ミサイルと直接関係していなくとも、軍事施設に移動中だった弾薬などの爆発も考えられる。

 次に指摘されるのは、4月の平安北道・竜川(リョンチョン)の列車爆発と同様に、爆発物を積んだ列車同士が衝突したケースだ。今回の現場は、近隣の軍事施設に化学物質や燃料を運ぶ鉄道の線路付近だったとされる。大量の爆発物質を積んだ列車の事故だったとしてもおかしくはない。

 さらに、根拠は乏しいものの、金正日(キム・ジョンイル)体制に反発する勢力による破壊工作ではないかとの説も一部で取りざたされている。

 現場のある郡一帯は、金総書記の祖父、金亨稷(キム・ヒョンジク)氏が抗日運動を展開した地域とされ、その名前を冠した地。しかも発生日は9日の建国記念日前後だった。竜川の列車爆発の際も、直前に通った金総書記の暗殺を狙ったとの憶測が出たが、今回も反乱行動ではないかとのうわさが出ている。

 しかし、そうした見方は全く憶測の域を出ておらず、韓国政府筋は「確認されているのは現場上空に煙が上がったことだけだ」と述べ、うわさの独り歩きを警戒した。

 北朝鮮の白南淳(ペク・ナムスン)外相は13日、今回の爆発について「水力発電所建設計画の一環として山岳地を計画的に爆破した」と述べた。訪朝中のラメル英外務政務次官が説明を求めたのに答えたもので、英BBC放送が報道。朝鮮中央通信も同様の原因を発表した。

 この説明について、韓国政府は半信半疑だ。強い疑問点は、北朝鮮メディアはこれまで両江道の3カ所で水力発電所を建設中だと伝えていたが、いずれも金亨稷郡ではなかったことだ。また、観測された爆発規模がダム工事にしては大きすぎるとの見方も根強い。

 一方で、白外相の名をもって英高官に説明し、さらに北朝鮮公式メディアが同じ原因を報じている以上、北朝鮮側には軍事事故ではないことを示す何らかの根拠があるのではないかとの見方も韓国側で交錯している。

    ◇

〈北朝鮮のミサイル基地〉 主なミサイル基地は全国に15カ所あるとされる。しかし、移動発射台を利用するミサイルもあり、他にも多くの基地があるとみられる。

 93年5月、日本海に面した咸鏡北道花台郡から、日本を射程に含むミサイル「ノドン」(射程約1300キロ)の発射実験があった。98年8月には「テポドン」(同約2千キロ)の発射実験があり、ミサイルの一部が日本列島を越えた。02年11月ごろには、テポドン2号のエンジン燃焼実験中に爆発事故が起きている。

 今回の爆発が起きた金亨稷郡の現場近くにある嶺底里地下ミサイル基地では、ミサイル発射口が十数カ所あることが確認されている。 (09/14 01:01)


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