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小児・産科医師偏在、対策検討は7県のみ

2006年08月03日

 小児科や産科の医師偏在の解消に向けた取り組みに、足並みの乱れが出ている。厚生労働省は、医師を特定の病院に集中させるなどの「集約化・重点化」策について、各都道府県に今年度中に必要性や具体案を検討するよう求めているが、同省の調査では、検討を始めたのはわずか7県。半数以上は検討のスケジュールも決まっていない。医師の総数は増やさず、地域にやり繰りを委ねるやり方に自治体の不満もくすぶる。

 厚労、総務、文部科学の3省の連絡会議は昨年8月、当面の医師確保総合対策をまとめ、地域の実情に合わせて産科医や小児科医を拠点病院に集めたり、複数の病院で役割を分担したりする集約化・重点化の推進を打ち出した。昨年12月には、都道府県ごとに対策の必要性を検討し、必要なら今年度中に具体案をまとめるよう求めた。

 厚労省が今年4月、都道府県に状況を聞いたところ、対策の必要性を検討していたのは、静岡、三重、兵庫、奈良、徳島、青森(産科分のみ)、大分(小児科分のみ)の7県のみ。残りは「今後検討する予定」などと答え、うち山形、福島、栃木、新潟、富山、石川、長野、鳥取、愛媛、鹿児島の10県は、検討を始める時期も「未定」だった。

 同省が検討の期限を「今年度中」としたのに対し、半数以上に当たる28都府県は具体的な期限が決まっておらず、「必要性を検討すべきかを検討中」(島根)といった意見もあった。

 危機感を抱いた同省は7月、「今年度中」としていた期限を「今年中」に繰り上げ、取り組みを促したが、反発の声も出ている。栃木県では、多くの公的病院が首都圏や隣県の大学医学部から医師の派遣を受けており、集約化には各大学との調整が必要だという。「県内だけの問題ではない。今年中に結論を出すなんて机上の空論」と同県担当者。北海道の担当者は「面積が広い分、集約化の事情も他県と異なる。慎重に議論したい」。

 国の施策に疑問を投げかける声もある。病院や診療所で働く産科・産婦人科の医師数(04年調査)が全国で3番目に少ない島根県は、隠岐諸島で常勤の産婦人科医が不在になるなど医師偏在が深刻。だが、担当者は「医師の絶対数が足りないため、集約化すらできないのが実情」と話す。

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