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米マイクロソフトは28日、全米各州の消費者から独禁法違反で訴えられている集団訴訟を巡り、5州とワシントン特別区(DC)での6件の訴訟で和解に合意したと発表した。同社が進めてきた和解戦略がさらに前進した。しかし、欧州連合(EU)による独禁法調査など懸案は残ったままで、ソフトの欠陥を問題にした新たな訴訟も抱えている。同社の訴訟問題は今後も長引きそうだ。
28日発表されたのは、カンザス、ノースカロライナ、テネシー、ノースダコタ、サウスダコタの5州とワシントンDCの集団訴訟での和解合意。各州の消費者はソフトを不当に高く売りつけられたとして、訴えていた。同社は今回の和解合意で、消費者にパソコンやソフトウエアを購入できる商品券計2億ドル分(約220億円)を提供する。
今回の発表分を合わせると、集団訴訟になっている15州のうち、和解に合意したのは10州になった。同社は昨年来、一連の独禁法訴訟問題で、解決を図る姿勢を鮮明にしており、ブラッド・スミス上級副社長(法務担当)はこの日の電話会見で「道のりは、半分を越えた」と説明した。
同社は訴訟リスクに備えるため、516億ドル(約5兆6千億円、9月末時点)に上る巨額の現金(短期投資を含む)を保有している。同社にとって、数十億ドル規模の和解金の影響はそれほど大きくない。一方で、同社は和解金の支払い以上に、ソフトの修正を迫られることに神経をとがらせている。
現在、同社にとって最大の懸案はEUの欧州委員会による独禁法違反の調査だ。欧州委は8月、マイクロソフトが独占的地位を利用して競争を阻害していると警告を出した。その救済措置の一つとして、基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」から、音声や動画を再生するソフト「ウィンドウズ・メディア・プレーヤー」(WMP)を外す必要性に言及した。
最終結論で、仮にWMPの削除を求められれば、同社のブロードバンド(高速大容量通信)戦略は大きな変更を余儀なくされる。
今年夏にはコンピューターウイルス「MSブラスト」の攻撃で、同社のOSを搭載するパソコンに被害が広がったが、最近になってソフトの欠陥を問題にした訴訟がカリフォルニア州で提起されるなど、同社は新種の訴訟にも直面している。
独立系の調査会社「ディレクションズ・オン・マイクロソフト」アナリストのマット・ロソフ氏は「マイクロソフトは、パソコンOSの独占企業。独占企業に課せられる一定の制約があり、それゆえに(訴訟に対して)脆弱(ぜいじゃく)な面がある。いくら訴訟問題を片づけたいと考えても、新たな訴訟が持ち上がってくる可能性は消えない」とみている。
(10/29 19:55)
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