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下:ソフト欠陥にPL法は無力?法整備「欠陥の警告が難しすぎて一般人には理解できないうえ、ハッカーに先にその情報が悪用されてしまっている」 米国で9月末、ウィンドウズの欠陥で個人情報が流出したなどとして、マイクロソフトへの損害賠償訴訟が起こされた。訴えたのは50歳の女性。パソコンから社会保障番号などの情報が引き出された、という。 マイクロソフトは「ウイルスや不正侵入によるトラブルは、ウイルス作成などの犯罪行為の結果だ」と反論するとともに、スティーブ・バルマーCEO(最高経営責任者)が今月9日、セキュリティー対策を強化する方針を発表した。 (1)欠陥の修正ソフトを、消費者や企業が導入しやすいよう、まとめて月ごとに提供する(2)セキュリティーを強化した「サービスパック」を来年前半に出す、などが柱となっている。ビル・ゲイツ会長が02年1月に打ち出した「信頼できるコンピューター利用環境の確立」の一環という。 だが、「いまだに店頭で、欠陥が残るウィンドウズパソコンが売られている」と、産業技術総合研究所でセキュリティーを研究する高木浩光さんは憤る。欠陥の公表前に出荷されたウィンドウズ搭載パソコンは、「MSブラスト」の出現後もそのまま。買った利用者が、自分で欠陥を修復する必要がある。 現行の製造物責任(PL)法は、パソコン本体など形がある「有体物」が対象。形のないソフトは、携帯電話のようにプログラムが半導体チップの中に組み込まれないかぎり、PL法では救えない。「パソコンを携帯電話と同様に扱い、欠陥があればリコールできるようにしなければ安心して使えない」と高木さんはいう。 米下院は、ウイルス作成者の検挙数が少ないことを問題視し、法的措置を強化できないか、公聴会を開いた。日本でも法制審議会が今年4月から、ウイルスなどの「不正指令電磁的記録」を作ったり仕掛けたりした犯人に懲役刑や罰金を科す刑法改正の検討を始めた。 「だが、どんなソフトを不正とするのかがあいまい。捜査方法や証拠保全などのやり方を間違うと何でも取り締まりの対象になる」と、弁護士の岡村久道さんは懸念する。 「これからの社会で、パソコンの役割は自動車のようになる」と、明治大学法学部の夏井高人教授はいう。 車社会が便利で安全になるためには、車そのものの安全性の向上とともに、道路の整備、交通規則の制定、運転マナーの確立が必要だった。パソコンの安全性確保や法整備はもちろん、「利用者も自らを守り、社会全体がもっと真剣にこの問題に取り組むべき時がきた」。 (朝日新聞2003年10月15日朝刊紙面) ◆ 上:家庭に潜伏 攻撃続ける ◆ 中:欠陥の公開、即日に攻撃も ◆ 下:ソフト欠陥にPL法は無力? <関連情報>マイクロソフト、セキュリティ対策強化を約束:from SILICON VALLEY |
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