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温暖化?チョウ「ツマグロヒョウモン」の分布が北上

2010年9月20日2時7分

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写真ツマグロヒョウモン=生態計画研究所提供

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 環境省が全国の市民から情報を集めた生きもの調査で、オレンジ色をしたチョウの「ツマグロヒョウモン」の分布が北に広がっていることが分かった。かつては東海地方から南西諸島が生息域だったが、関東地方に大量に入り込み、定着していた。専門家は気温の上昇傾向が一因とみている。

 環境省生物多様性センターが2008年に始めた「いきものみっけ」調査で確認された。調査は、気候変動が生物の分布に与える影響や、日本の生物多様性の現状を明らかにするのが目的。約30種類の動植物を調べており、これまでに約7万5千件の情報が寄せられている。

 ツマグロヒョウモンについて09年度に寄せられた858件のデータを、環境省がまとめた専門家による1954〜2000年の調査と比較したところ、以前はほとんど発見されなかった東京や神奈川、埼玉で大量に見つかり、北関東にも入り込んでいることが確認された。

 チョウの分布に詳しい山梨県環境科学研究所の北原正彦・主幹研究員(昆虫生態学)は、今回の調査結果について「ツマグロヒョウモンは90年代前半まで、関東ではほとんど目にすることがなく、生態系に激変が起きているようだ。詳しい調査を行う必要がある」と話す。

 北上を可能にしている要因として、冬場の気温上昇で越冬しやすくなったことや、都市部でのヒートアイランド現象が考えられる。また、ツマグロヒョウモンの幼虫はパンジーなどスミレ科の植物を食べるため、パンジーの苗の流通も、卵や幼虫を運んで分布の拡大に拍車をかけている可能性があるという。

 チョウの北上現象は、これまでに南方系のナガサキアゲハなどについて、冬場の気温上昇にともなって分布が拡大していることが確認されている。(山本智之)

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