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俳優の小林桂樹さん死去 86歳、「社長シリーズ」

2010年9月19日0時45分

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写真俳優の小林桂樹さん

写真俳優の小林桂樹さん

写真「社長道中記」の小林桂樹さん(右)。中央が森繁久弥さん、左が加東大介さん=東宝提供

 東宝の「社長」シリーズをはじめ映画やテレビドラマ、舞台で幅広い役をこなした俳優の小林桂樹(こばやし・けいじゅ)さんが16日、心不全のため、東京都内の病院で死去した。86歳だった。葬儀は近親者のみで営まれた。後日、お別れの会を開く。所属事務所の柊(ひいらぎ)企画によると、7月に軽い肺炎で入院し、闘病生活を送っていたという。連絡先は東京都世田谷区等々力5の2の7の柊企画。

 1923年、群馬県生まれ。学生時代に朝日新聞社でアルバイトをし、映画批評家を志したという。41年日活に入社し、翌年「微笑の国」で俳優デビュー。大映に移り応召。復員後も在籍したが、51年に東宝の「ホープさん」でヌーボーとしたサラリーマンを好演し、翌年東宝へ引き抜かれた。

 50〜70年代に約40作つくられた喜劇「社長」シリーズでは森繁久弥、三木のり平、加東大介らとともに中心的存在となった。人が良くまじめだが、どこか抜けていてユーモラスというキャラクターで秘書や社長を演じ、東宝のドル箱路線を支えた。一方で、小津安二郎監督の「小早川家の秋」(61年)や黒沢明監督の「椿三十郎」(62年)、成瀬巳喜男監督の「女の中にいる他人」(66年)など巨匠監督らにも重用された。

 「社長」シリーズや「江分利満氏の優雅な生活」(63年)で演じたような高度成長期のサラリーマン役が印象に残るが、コミカルな役からシリアスな役まで幅広く演じられる俳優だった。58年の「裸の大将」では実在の画家山下清、61年の「名もなく貧しく美しく」ではろうの男性、65年の「けものみち」では悪徳刑事、73年の「日本沈没」では日本の危機を訴える科学者、81年の「連合艦隊」では山本五十六司令長官と、時代劇からSFまで出演した。2003年には「手紙」に出演、息の長い活躍を見せた。

 70年代からはテレビドラマでも活躍。「赤ひげ」(NHK)のほか、弁護士役の「朝日岳之助」シリーズ(日本テレビ)や、「牟田刑事官」シリーズ(テレビ朝日)などサスペンスドラマで人気を博した。

     ◇

 〈「社長」シリーズなどで共演した俳優の司葉子さんの話〉 東宝の先輩として頼りになる存在でした。マジメな秘書が当たり役でしたが、ご本人の性格そのまんまのようでした。俳優としてはとても器用な方でしたが、小津先生の「小早川家の秋」の時の大阪弁だけは随分苦労なさっていました。その様子が懐かしく思い出されます。

     ◇

 〈俳優の草笛光子さんの話〉 「桂ちゃん、桂ちゃん」と呼ばれ、みんなから慕われていました。役者の教科書のような方でした。こまやかで人間観察力が鋭くて、それを柔らかい真綿に包んで表現されていました。本音で何でも言ってくれる先輩で、私にとってとても大事な人でした。

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