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地デジ化「テレビ聴けなくなる」 視覚障害者に不安の声

2011年7月17日8時5分

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写真拡大ラジオでテレビ番組を聴き続けてきた織田洋さん。その習慣も24日までとなる=東京都豊島区

 地上波テレビのデジタル放送完全移行(被災地3県を除く)まで1週間。地デジ化されるとテレビの音声がFMラジオで聴けなくなるため、音が頼りの視覚障害者から「テレビから遠ざけられてしまう」と不安の声が出ている。

 FM放送とテレビのアナログ放送はともにVHF帯の電波を使うため、多くの視覚障害者が、値段が安く1台で両方聴けるFMラジオでテレビも楽しんできた。だが、地デジはUHF帯なので、ラジオでは受信できなくなる。

 東京都豊島区に住む全盲の織田洋さん(57)は小型FMラジオを持ち歩き、移動中もイヤホンでテレビ番組を聴くのが日課だ。「画面がいらないからこれで十分。どこでも聴けて便利だったのに」

 厚生労働省が2006年に実施した身体障害児・者実態調査によると、視覚障害者の情報入手方法(複数回答)はテレビが66%で1位。2位の家族・友人(56%)、3位のラジオ(49%)を上回る。全日本視覚障害者協議会の山城完治総務局長は「テレビはラジオより番組が豊富。ニュースも原稿を読むだけのラジオに比べ、臨場感がある」。

 携帯電話のワンセグ機能を使えば地デジが聴けるが、「音が途切れがち。電池を消耗するので、いざというとき通話できないと困る」と織田さん。家族が見る自宅の地デジ対応テレビはリモコン操作が複雑で使いづらいという。

 テレビの機能拡大につながると期待される地デジ化も、視覚障害者にとっては情報弱者化のきっかけになりかねない。「国策で我々を置き去りにしないでほしい」と山城さんは訴える。(星野学)

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