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月面着陸地点は「米の財産」 NASAが立ち入り禁止案

2011年11月27日3時4分

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写真拡大NASAが「遺産」に指定しようとしている月面に残してきた米国旗=NASA提供

写真拡大NASAが「遺産」に指定しようとしている月面に残してきた月探査車=NASA提供

写真拡大NASAが「遺産」に指定しようとしている月面に残してきた宇宙飛行士の靴跡=NASA提供

 人類が初めて月に降り立った米アポロ計画での着陸地点を「歴史的遺産」として立ち入り禁止にする指針を米航空宇宙局(NASA)が検討していることがわかった。国連の宇宙条約はどの国も自由に宇宙空間に立ち入りできるとしている。月面での活動や土地利用の国際ルールはなく、議論を呼ぶ動きだ。

 米国は月の有人探査計画を中止したものの中国やインドが進めているほか、民間の探査計画も出ていることが背景にある。NASAは着陸地点や月面に残した機器類が近い将来、壊される恐れがあるとして「米国の財産」保護のためだという。朝日新聞に対し「指針に法的な拘束力はない」と説明するが、月での活動を制限する先例になる可能性がある。

 アポロ計画では、1969〜72年に計6回、宇宙飛行士を乗せた宇宙船が月に着陸した。それ以降、人類は月に行っていない。朝日新聞が入手した指針案では、着陸地点や月面の機器類を「歴史的・科学的にかけがえのない遺産」と位置づけている。

 なかでも最初のアポロ11号(69年)と最後となった17号(72年)の着陸地点は価値が高いと判断。それぞれ半径2キロ以内の上空を飛行禁止とした。月面でも着陸時に活動した範囲を含む半径75メートル(11号)、225メートル(17号)以内の立ち入りを禁じる。

 さらに研究目的などでNASAと事前協議をした場合を除き、月面の機器類について、汚染を避けるため接触を禁じる。対象には月探査車や宇宙船の離着陸に使った台座など大型機器から、米国旗、衣類、食品、排泄(はいせつ)物まで含まれる。

 米非営利団体「X賞財団」は、2015年までに月で無人探査車の走行に成功した最初の民間グループに賞金を贈る国際コンテストを実施中。月面にあるアポロ計画の機器類を撮影した場合の副賞もある。コンテストで機器類が破損するなどの恐れもあるとして、NASAはX賞コンテストの参加者に指針案の内容について説明した。

 唯一の国際ルールである国連の宇宙条約(67年発効)では、月を含む宇宙空間で、あらゆる国が平等に自由に活動できる権利を認めている。しかし、細かい規定が定められているわけではない。個人の土地の所有までは禁じていないため、月の土地を「販売」する民間会社も出ている。

 NASAは必要に応じて日本など関係国の宇宙機関と協議していくという。(ワシントン=行方史郎)

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