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政府は29日夜、地方銀行上位の足利銀行(本店・宇都宮市)が9月中間決算で債務超過に陥ったことを受け、首相官邸で金融危機対応会議(議長・小泉首相)を開いた。同行の破綻(はたん)を認定したうえで、預金保険法102条に基づいて一時国有化し、初の「特別危機管理銀行」とすることを決めた。日向野(ひがの)善明頭取ら現経営陣は退陣し、政府が銀行外から新経営陣を選ぶ。足利銀は営業を続け、預金は全額保護される。日本銀行も必要に応じ、資金繰り支援のため特別融資(日銀特融)を実施することを決めた。
足利銀行は、9月初めから始まった金融庁検査で不良債権の抜本処理を迫られ、9月中間決算で当期赤字の見通しになった。このため、監査法人に将来の確実な利益を前提として自己資本に計上している繰り延べ税金資産の全額取り崩しを求められた。9月中間決算は最終的に1023億円の債務超過となった。
足利銀は29日午前から午後にかけ臨時取締役会を開き、この債務超過の中間決算を正式にまとめた。その後、金融庁に対し、決算と自力再建断念の方針を報告した。
政府は足利銀が栃木県内で融資シェア5割を占めることから、破綻で地域の金融危機の恐れがあると判断し、金融危機対応会議開催に踏み切った。預金保護や不良債権の買い取りなど、破綻処理に必要な公的資金は、最終的に1兆円規模に上る可能性がある。足利銀には98年と99年にも計1350億円の公的資金が投入されている。
足利銀の株式は、債務超過のため無価値となり、政府は近く同行の発行済み株式をすべて強制取得(価格はゼロ円)し、一時国有化する。足利銀の貸し出し債権は再査定し、不良債権は整理回収機構に売却する。
旧経営陣から新経営陣への移行期の混乱を避けるため、金融庁は幹部らでつくる経営監視チームを発足させた。新経営陣には、旧経営陣の経営責任を明確化するため、民事上、刑事上の必要な措置をとることが義務づけられている。
一時国有化は、政府が取得した株式を別の金融機関に売却するなどして終了するが、具体的な期限は定められていない。政府は取引先などへの影響を最小限に抑えるため、受け皿探しを急ぐ。
銀行の経営破綻は、昨年3月の中部銀行(静岡市)以来、1年8カ月ぶり。昨年4月にペイオフが一部解禁されて以降では初めてとなる。
竹中金融相は29日夜の記者会見で、「現時点で懸念される銀行はほかにないと認識している」と述べた。
足利銀行は29日夜の記者会見で、新しい代表取締役に槙田光一・足利銀行常務を暫定的に昇格させることを明らかにした。
(11/29 23:34)
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