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03月25日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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災害大国 あすへの備え

災害ボランティア

被災地復旧へ 支援力と受援力

 災害時に重要な役割を果たしているボランティア。近年、定着してきたが、現場では混乱もある。災害ボランティアに参加する時の注意点は何か、被災者はどう助けを求めればいいのか。

【1】役に立つボランティア

■変わる支援 一人ひとりの支援から、まちづくり支援へ

 災害の種類や時期によって、ボランティアの活動する内容は変わっていく。

 東日本大震災で中央共同募金会の助成金を申請したボランティア団体の活動内容は、2011年5月下旬では、がれきの撤去や片付け、引っ越しの支援など「緊急救援活動」が6割以上。避難所や仮設住宅での相談といったサロン活動やコミュニティーFM、ミニコミづくりなどの「生活支援活動」も増えていく。

 発生から8カ月後になると、コミュニティーづくりや被災で中断していた地域活動の支援など「復興支援活動」が4割近くに増えて、割合が逆転。12年6月以降は、生活支援活動と復興支援活動が8割を占める。

 中央共同募金会は「震災直後は家屋の解体や、一人ひとりの被災者の食料や衣類を支援する活動だったが、現在はまちづくりという地域全体の支援に移ってきている」と説明している。

(木村俊介)

【2】ボランティアの心得は

■行政ができないことを自己責任で

 行政の手が回らない部分や関与できない分野で災害ボランティアが活躍する。

 ピースボート災害ボランティアセンターの山本隆代表理事は「行政は道路の復旧はできるが、被災者の家や庭など私有財産の復旧はできない。私有地での活動はボランティアか業者が担う」と指摘する。地域が壊滅状態になり、地元だけでは対応できない大災害ではなおさらだ。

 災害ボランティアとして活動するには、大きく二つの方法がある。

 一つは、災害が起きた自治体の社会福祉協議会などが設置するボランティアセンターに直接行くこと。もう一つは、災害ボランティア団体などの募集に応じて、その一員として被災地に行くことだ。いずれも被災自治体や協議会、団体のホームページなどで募集が出る。

 土砂崩れや地震など災害の種類によって作業の内容は異なるが、被災者宅の片付けや泥のかき出しのほか、炊き出しや足湯のサービスもする。倉庫での物資の整理など被災者と交流がない作業や被災地に行っても作業がない場合もある。

 被災地に出かける時には、現地に迷惑をかけないよう、宿泊先をあらかじめ確保し、水や食料、着替えを持参する。自己責任・自己完結がボランティアの原則だ。活動中のケガや事故に対応するため、事前にボランティア保険に入っておくと現地での手続きが省ける。

 服装も重要だ。泥かきなら目を守るゴーグルやマスク、長靴も必要になる。東日本大震災の被災地では、家屋の撤去作業で釘を踏み抜いてけがをした例もあった。暑い時期の作業では熱中症にも注意が必要だ。

 山本さんは「ボランティアは誰でもできるが、危険もある。ヘルメットのかぶり方や鉄板入りの長靴などを知っておいた方がいい」と話す。東日本大震災後、安全に活動するためのトレーニング講座を始めた。

【3】受け入れる側は

■要望をセンターに伝えよう

 大規模な災害では全国からボランティアが集まる。活動を円滑に進めるには、交通整理する受け入れ態勢が重要になる。

 現地では、被災者が求める家屋の解体や自宅の泥かきなどの要望をボランティアセンターなどに伝え、それに応じてボランティアが派遣され、活動する。

 要望は個人でもいいし、自治会や町内会などの地域単位で要望を取りまとめてもいい。ただ、天候が悪かったり人数が集まらなかったりすると、すぐに対応できないこともある。

 内閣府によると、東日本大震災では、社会福祉協議会や地元のNPOが被災して受け入れ態勢がすぐにとれなかった地域や、大型連休で被災者の要望を上回るボランティアが集まり、受け入れの人数制限をしたセンターもあった。また、受け入れるセンターと現地に入るNPOなどとの情報共有がうまくいかず、活動が遅れた事例もある。

 ボランティア活動の仕組みを知らず、不信感や不安感を抱いたケースもある。見知らぬ人が自宅に入ることへの抵抗感があったり、お金を払う必要がないことを知らなかったりする被災者もいた。

 全国社会福祉協議会全国ボランティア・市民活動振興センターの園崎秀治さんは「被災直後は混乱する。同じ状況の災害はないので『大成功』のボランティアセンターはないと思う。その反省を今後の教訓にする必要がある」と話している。

【4】「困った時はお互い様」声上げて

認定NPO法人 レスキューストックヤード
代表理事・栗田暢之さん

 阪神大震災で全国から災害ボランティアが集まった1995年は「ボランティア元年」と言われた。私たちも現地に出かけるが、今ではボランティアのいない被災地がないほど広がっている。

 土砂災害などでの泥かきのイメージが定着しているが、災害ボランティアは力仕事だけではない。年齢や性別によらず、活動の場はたくさんある。  例えば若い男性だけのボランティアが集団で高齢の被災者宅に行くと、びっくりされるかもしれない。でも、年齢の近い人や女性が一緒に行くと少しでも安心できるのではないかと思う。それ以外にも炊き出しや足湯、被災者と話をすることも重要な活動になる。

 被災直後はどこに助けを求めればいいのか、ボランティアに何を頼めるのか声を上げにくいかもしれない。でも、被災者も行政も「ここが困っている」「助けてほしい」と具体的に言ってくれた方が円滑に進む。

 「困った時はお互い様」。さらに普段から「災害の時には頼むね」という関係があればすぐに集まって活動に入れる。

 たしかに、ボランティアを名乗って悪いことをする人もいる。横柄な態度の人も。そんな人には帰っていただきましょう。大多数は、困っている方の役に立ちたいと思っている人たち。災害が起きれば、なんとかしようと全国から集まって来ますから。

災害大国 被害に学ぶ

◆【災害大国】被害に学ぶ・特集へ

過去の災害の被害や将来の被害想定から、必要な対策を探り、備えに役立つ情報をお伝えします。

◆【災害大国】あすへの備え・特集一覧

タイムライン・熊本地震(4月14~15日)

写真、SNSの反応などをまとめてタイムラインで

タイムライン・熊本地震(4月16~17日)

写真、SNSの反応などをまとめてタイムラインで

福島からの母子避難

原発事故のあと福島県外で避難生活を送る母子。負担に耳を傾けました

農業用ダム・ため池、510カ所で耐震不足

震災で決壊した藤沼ダムの解説映像

被災地から一覧

被災者と同じ空気を吸う記者たちが、リレー方式でつづります

やっぺし 大槌の日々一覧

大震災の被災地、岩手・大槌駐在の記者が現地から報告します

銚子電鉄から見た震災々一覧

自主再建を断念した銚子電鉄の沿線をめぐる

【2016 震災5年】

「震災5年特集・別刷り紙面」ビューアー

紙面別刷り特集!あの日から、重ねた5年

検索データが語る大災害

災害時にどんな言葉を、どんなタイミングで検索しているのでしょうか

【2015 震災4年】

 ふるさとの復興への思いを語る西田敏行さんインタビューや「データで見る被災地」「原発の現状」など特集紙面がご覧いただけます。

 発生から2年までの復旧・復興への歩み、原発事故のその後を、この特集でさぐる。多くの困難なのか、それでも前を向く人々。「忘れない」という誓いを胸に、これからも支えたい。

 かつて「野鳥の森」と呼ばれた福島第一原発敷地内の森は、汚染水をためるタンクで埋め尽くされそうとしている。

(阪神大震災20年)遺族の思い

朝日新聞社と関西学院大人間福祉学部による遺族調査

【阪神大震災20年】レンズの記憶

被災直後の神戸の街や人々の写真を公開

会員限定 阪神大震災・「あの日」の紙面

阪神大震災 阪神大震災

 1923年9月1日の関東大震災から1年たった24年(大正13年)9月15日、大阪朝日新聞は、付録として「関東震災全地域鳥瞰図絵」を発行した。絵図は吉田初三郎画伯が描いたもので、関東大震災の主要な被害のほか、当時の交通網や世情も反映され、裏面は「震災後の一年間」と題して、被害状況と復旧状況をまとめ、各地の写真を載せている…[続きを読む]

  • 「表面・関東大震災俯瞰図絵」ビューアーへ
  • 「裏面・震災後の一年間」ビューアーへ

◆ 地震動予測地図

地震調査研究推進本部の資料から

◆ 女子組版「災害時連絡カード」

印刷して切り抜き、財布などに入れてお使いください

 鹿児島県・口永良部島で29日、噴火があった。箱根山では火山性地震が増え、噴火警戒レベルが引き上げられた。昨年は御嶽山が噴火、桜島や西之島は活発に噴火を続け、蔵王山でも地震が増加、日本が火山列島だと痛感している。…[続きを読む]

著者:朝日新聞社 価格: ¥1,680

 朝日新聞のシリーズ企画「災害大国 迫る危機」が本になりました。活断層、津波、地盤、斜面災害、インフラ、火山のリスクを地域ごとに示した大型グラフィックや対策の現状などを収録。書籍化のために各地域の災害史を書き下ろしました。いつ見舞われるか分からない災害の備えとして役立ちます。B4判変型(縦240ミリ、横260ミリ)でオールカラー、120ページ。

日本列島ハザードマップ 災害大国・迫る危機

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