サウジアラビア東部アルコバールで29日に起きた乱射テロで、サウジ治安部隊は30日早朝(日本時間同日昼前)、犯人グループが人質を取って立てこもる集合住宅に突入した。サウジ内務省は、この事件で民間人計22人が死亡、25人が負傷したと発表した。また犯人4人のうち3人が逃亡し、1人が拘束された。
リヤドの日本大使館から外務省に入った連絡によると、居住区にいた邦人6人は、治安部隊の突入前に敷地の外に退避して無事だった。
犯人が立てこもったのは、外国人が主に住む高級集合住宅オアシスコンパウンド。犯人側と治安部隊との銃撃戦は一晩中続いた。
部隊は夜間に一度突入を図ったが、建物に爆弾が仕掛けられていたため断念。朝になって軍用ヘリ3機で7階建て集合住宅の屋上などから突入し、銃撃戦になった。犯人グループは、手投げ弾や機関銃で武装していた。
犯人は29日午前7時半ごろ、石油関連企業の入るビルを襲撃。その後、住宅施設に押し入った。この時、住民に宗教を尋ね、イスラム教徒は解放したが、アラブ人でもキリスト教徒は人質にとった。
サウジ内務省によると、犠牲になったのはインド人8人、フィリピンとサウジ各3人、スリランカ2人、米、英、イタリア、スウェーデン、南アフリカ、エジプトが各1人。ロイター通信は、殺害した石油関連企業の英国人社員の遺体を犯人が車につなぎ、通りを引き回したと伝えた。また同通信は、米国人など約50人の人質が救出されたと報じた。
(05/31 01:29)
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