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中国人船長釈放、野党「外交的敗北」 与党にも批判の声

2010年9月24日22時6分

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写真中国人船長が勾留(こうりゅう)されている八重山署には報道陣が詰めかけた=24日午後8時18分、沖縄県石垣市、上田潤撮影

 尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件で24日、那覇地検が中国人船長の釈放を発表し、与野党から菅政権への批判が相次いだ。自民党など野党は「外交的敗北だ」として民主党政権を国会で追及する構えだ。対中政策をめぐる議論が、一気に過熱してきた。

 民主党の岡田克也幹事長は記者団に「地検の判断は尊重されるべきだ」と強調。那覇地検が釈放理由に外交への影響をあげたことについて「総合的に判断することはあり得る。検察の判断に政治家がいちいちコメントすることは避けるべきだ」と慎重に言葉を選んだ。

 だが、保守系議員を中心に、与党内からも厳しい意見が噴き出した。松原仁衆院議員ら民主党国会議員5人は「我が国の法秩序を蹂躙(じゅうりん)するもので到底容認できない」として、釈放決定撤回と捜査継続を検察当局に求める抗議文を発表した。松原氏は「日本は恫喝(どうかつ)すれば言うことを聞くと国際社会で思われることは、極めて国益上マイナスだ」と語った。

 国民新党の亀井静香代表も「捜査の上での判断というより、政治が介入したとしか思えない。事実上の指揮権発動だ」と指摘。「外国の圧力にこうした対応しかできないとは」と語り、検察ではなく政権の対応が問われるべき事態だとの見方を示した。

 一方、自民党の谷垣禎一総裁は記者団に「検察が(外交への影響を)言うのは理解できない。説明責任を政権が果たすべきだ」と指摘した。自民党政権時の2004年には尖閣諸島に上陸した中国人を逮捕2日後に強制送還したが、今回は逮捕16日後の釈放決定。谷垣氏はそのことを念頭に、「民主党代表選の政治的空白が問題を大きくした」と語った。

 自民党の安倍晋三元首相は「8月15日に(閣僚が)靖国参拝をしないと政府の意思として表明した。中国に譲歩した結果、こうなった」と主張。みんなの党の渡辺喜美代表も「中国は民主党政権の足元を見透かしていた。明確な外交的敗北に開いた口がふさがらない」。共産党の志位和夫委員長は「領海内で取り締まるのは当然だ。釈放について検察と政府の説明責任を強く求める」と述べた。

 自民党はこの日、28日の参院外交防衛委員会の審議時間を増やすよう民主党に認めさせるなど、国会で政府をただす方針だ。この問題で中国を批判する石原慎太郎東京都知事は24日夕に自民党本部を訪れ、谷垣氏に「頑張ってくれ」と政府を追及するよう求めた。

 一方、公明党の山口那津男代表は釈放決定を「一つの転機にはなる。日中関係をこれ以上こじらせることは誰も望んでいない」と評価。社民党の福島瑞穂党首は「地検の判断を尊重するしかない。こういう緊張関係の再発を防ぐ必要がある」と語った。

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