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12月18日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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Round 2 東京五輪って、どうなの? ウォームアップ

新宿・歌舞伎町のほど近くに、廃校となった小学校がある。
お笑いコンビ、品川庄司が所属する吉本興業の、東京での拠点だ。
10月下旬、平日の昼過ぎ。かつて体育館だった建物の一角にある会議室で、
庄司智春は、朝日新聞の社説担当記者と、再び向かい合っていた。

今回の「対戦相手」

この日、品川庄司は、新宿駅に隣接する「ルミネtheよしもと」に出演中。
庄司は、1回目と2回目の公演の合間に駆けつけ、「異種格闘技」に臨んだ。
今回の「対戦相手」は、編集委員の稲垣康介。(ツイッターアカウントは@Inagaki7K
稲垣は稲垣でも、前回のアフロヘアの論説委員とは、だいぶん趣が違う。

スポーツの専門記者

専門記者である編集委員の肩書を持ちながら、スポーツがテーマとなる社説を担当する。
オジサンの多い論説委員室の中では比較的若く、くだけた感じだ。
聞けば、この稲垣編集委員、このあと、公演も見にやってくるという。
〈今回の担当者も、ノリ、いいっすねえ〉

経済の話とか、わかんない

「僕はふだん、スポーツの取材をしています。だから(社説の内容を議論する)『昼会』に出ても、経済の話とか、わかんないときも正直あるんですよ」
さっそく稲垣から軽いジャブが飛び出す。
〈ええっ、まじっすか〉
なんだか、親近感が湧いてくる。

気をよくした庄司は、今まで聞けなかったことを思い切って聞いてみることにした。
「そもそもの話、していいっすか」
けげんそうな表情の稲垣。
「新聞って、字数が決まってるせいか、どうしてここをかみくだいて言ってくれないんだろうと思うところ、あるんですよね。特に、社説」

ひっかかりますよね

庄司は最近、新聞を読む時、記事に赤線を引きながら読んでいる。
「ついでに声に出しながら読んでいくんです……」
と言いかけると、稲垣が間髪入れず
「でも、ひっかかりますよね」と相づちをうった。

「そうなんですよ! なんで急に、こんな難しく書くの?とか、
初めて聞いたわ、この表現、みたいなところがあって。
そうなると、僕みたいなバカは、もう読んだふりして、飛ばしちゃうんです。
僕の勉強不足もあるんですけど、みんなどうしてんだろうなあ」

えっ、もしかして

すると、稲垣から思いがけない言葉が。
「僕もそこには、かなり共感、っていうか同感っていうか」
〈えっ、もしかして、オレと同じバカ!?〉

稲垣は続けた。
「これは、僕個人の勝手な思い込みなんですけど、社説を書くときって、
賢そうに、まじめに書かなきゃいけないっていうプレッシャーが、あるんですよね。
論説主幹の大野さんには、のびのび書いていいと、言われるんですけど……。
『社説』の看板にひるんじゃう。
スポーツが社説になるのはオリンピックや、競技団体の不祥事、
スポーツの暴力・体罰問題などが多いんですが、かしこまっちゃう自分がいます」

「社説ってね」と稲垣。
「思ったことを、そのまま書けるわけじゃないんですよ。 この前見ていただいたように、みんなで議論して、決めたものが社説になるんで。
でも、1週間に1回、木曜日に社説の下に載る『社説余滴』っていう欄は、自由に書いていいんです。 紙面に自分の顔写真が載るのが難点というか、恥ずかしいんですけどね」

「自分の意見を言う代わりに顔出せよ、ってことなんすか!?」

「責任があるから顔を出す、というのもありますけど、 顔写真が出ていると、読者の方も、記者のイメージがわくから、読んでみようかなと思って下さるみたいで。
論説副主幹に『このテーマで書いたら?』と言われることもあるけど、
社説と自分の考えとは違うんだよな、っていうときに立候補することもあります」
〈確かに、読みやすくはなるよなあ。〉

そういう手があるのか

「僕も、社説が難しいテーマの時、同じ問題を取り上げた『社説余滴』を読んでなるほど、と思うこともある。記者の個性がストレートに出るし、個人的な体験、取材の裏話が盛り込まれていることも多い。使っている日本語も、少しくだけているかも」
〈なるほど~! そういう手があるのか。おっと、そろそろ、本題の東京オリンピックに話を戻さないと。でも、その前に、ひとつだけ聞いておきたいことがある。〉

賛成?反対?

「稲垣さんは、東京オリンピックが来ることには、賛成なんですか?」
〈新聞読んでると、東京オリンピックに、諸手を挙げて賛成、っていう感じでは、ないんだよなあ……。〉

すると意外な答えが返ってきた。
「朝日新聞は、どちらかというと慎重派ですけど、僕自身は賛成ですよ」

〈よっしゃ!〉
庄司は、心の中で、ガッツポーズを決めた。

次回は、いよいよ「東京五輪って、どうなの?」を掘り下げます。
配信は、11月28日ごろの予定です。

論説委員プロフィール稲垣 康介

1992年入社。スポーツ部、欧州総局(ロンドン)、アテネ駐在などを経て、2011年から編集委員。スポーツ社説も担当。五輪取材は1998年長野冬季大会からで来年2月のソチ大会で夏冬6回目となる。ツイッターアカウントは@Inagaki7K

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