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12月16日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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Round 3 特定秘密保護法って? 庄司vs.論説委員 後編

特定秘密保護法成立間際の昨年12月4日。
庄司智春は東京・築地の朝日新聞東京本社にいた。
なぜこの法律が必要なのか。
どうしてこの法律に強く反対する人がいるのか……。
小村田義之論説委員にいろいろ聞いたが、どうもよく分からない。

なんで反対?

「安全保障上の意義はあるし、検討する必要性はある、と僕は思っています」と小村田。
中国の強大化で東アジア情勢が緊張するなか、
日米が連携を強めて対処する必要がある、
という安倍政権の言い分にも一理ある、と指摘する。

じゃ、なんで、反対してるんですか?

「問題が多すぎるからです。大きく言うと、三つある」と小村田は言う。

問題が多すぎる

ひとつめは、法案自体の問題点だ。

「やむを得ず強い法律を作るなら、 情報公開のルールやチェックする第三者機関を整備して、 国民の多くが納得できる形にする必要がある。 それをほとんどせず、政府に都合の良い、ずさんな法律になってるんですよ」

「特定秘密」は、政府というより官僚が決める。
しかし法律に示された「秘密」の定義はあいまいで、審議中にころころと変わった。

「官僚は、
『大丈夫です。日本の公務員まじめですから』
って言いますけど、
彼らも人間。
出世も大事だし、失敗は隠したい。
憲法や法律できちっとしばりをかけておかなければいけないんです」

国民主権の民主主義国家である日本では、そもそも政府が扱う情報は、国民のものだ。
その情報を政府が独占するようになれば、政府の力が強まり、その根幹が揺らぐ、と小村田は指摘する。
「情報を持てば強くなる」とはどういうことなのだろう。小村田に聞いてみた。

「庄司さんは、奥さんに秘密がありますか?」小村田が唐突に尋ねた。

「ないです」。即答する庄司。

「では、家のお金がいくら入ってきて、どう使われてるか知ってます?」

「僕の収入はオープンだけど、妻の収入は……知らないなあ」

「ミキティがお金を正しく使っていると信じるしかない。
ミキティの方が情報を持っていて、強いと思いませんか。
情報は力なり、というわけですね」と小村田はにやりと笑いながら話す。

手続きの強引さ

ふたつめの問題は手続きの強引さだ。
「与党の一部にも異論があるのに自民党は耳を傾けず、強引な国会運営で突っ走ってきました」
どうしてこれほど急ぐのか。庄司も不思議だった。

「特定秘密」の範囲をはっきりさせるとか、今あるプライバシー保護や情報公開制度を強めるとか、より多くの人が納得できる形にする方法は、いくらもあるはずだ、と小村田は言う。

「なのに、数の力で押し切ろうとしている。ここまで乱暴な国会運営は久しぶりです。将来、振り返った時に、あそこが日本の曲がり角だった、となるのかもしれない」

「普通の国」への流れ

最後のひとつは、平和憲法をもち、戦わないことを前提にしている日本を「普通の国」にしようとする流れが、この法律がきっかけで、さらに大きく、強くなる恐れがあることだ。
安倍首相は、自衛隊を軍隊にし、米軍と連携して小競り合いをするぐらいのことまでは想定しているようだ、と小村田は言う。

「憲法や法律で、国民が認める動きはここまでですよっていう枠をつくっておかないと、将来何が起きるかわかりません」

もうすぐ2歳の息子が大人になったとき、
庄司のすごした平和な日本とは違う日本になっている可能性があるのだろうか。

「やっぱり違った」と、法律を後から修正できないんだろうか。

「政府は、不具合があれば直す、と言ってますが、 不具合があるかどうかも、彼らしかわからない」

まずいなあ。

「だから、施行までの1年間、第三者機関がきちっと作られるかなどを監視していかなければなりません。
なかなか難しいですが、施行後のチェックも欠かせません」

小村田は言葉を継いだ。

「今の政権は、政治家の力を強めようとしているので、ますます選挙が大事になる。
特に、特定秘密保護法を含む安全保障の問題は、人の生き死ににもかかわります」

でも、たかが1票。大勢に影響はないんじゃないだろうか。

「それは、うそ。政治家は、票をしっかり見ています。どの地区で何票、とか、どの世代で何票とか細かく調べている。絶対に影響はありますよ」

やっぱ選挙、行かないとだめっすね。

庄司が書く「庄説」は、今月23日ごろ配信の予定です。

論説委員プロフィール小村田義之(こむらた・よしゆき)

茨城県出身。地元の日立製作所をやめて1992年に入社。政治部で自民党、公明党、外務省、旧防衛庁を担当。米スティムソン・センターの客員研究員も。ワシントン特派員として2008年にオバマ氏が勝利した大統領選を取材したが、英語より茨城弁が得意。

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