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12月12日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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Round 7 消費増税は何のため? 庄司vs.論説委員 前編

消費税が4月に上がった。
社会保障のための増税と政府は主張するが、
なかなか実感がわかない庄司智春。

朝日新聞論説委員の浜田陽太郎によると、
子どもたちが希望を持って、世の中に出て行ける社会、
その基盤となるのも社会保障だというのだ。

「お子さんが大きくなって、お笑い芸人になるって言ったら、どうしますか」
浜田は尋ねる。

そんな質問、聞くまでもないじゃないか。

「止めます」

庄司はきっぱりと言い切った。

たいへんなんだよ、自分が芸人になったころよりも格段に。
そんなキツイ世界に身を投じないでくれ。

若い世代が将来に悲観的なのは、なにも庄司に限ったことではない。

生涯結婚しない人が2割
浜田は、「生涯未婚率」というデータを持ち出した。
生涯いちども結婚しない人が、今や2割近くになっているのだという。

「このままでは、日本の人口はどんどん減ってしまう。
庄司さんは、何人ぐらい子どもが欲しいですか」

嫁さんは、3人ぐらい欲しい、と言っているが、自分は、2人でいいんじゃないか、と思っている。

「なぜですか」
詰め寄る浜田に、庄司は本音を吐露した。

「いまの社会を分かっていたら、子どもを産むのに、みんなちゅうちょしますよ」

浜田が社会に出たバブルのころと違って、将来の展望が見えない。
生まれてくる子どもがかわいそうだ、と思ってしまう人は、きっと多いだろう。

何人産むか目標必要?

「これ、きょうの記事なんですが」
浜田は、おもむろに新聞を差し出した。

“何人産むか目標必要?”

そんな見出しで、人口の減少を食い止めるために、
「出生率2.07」という数値目標を政府が掲げてはどうかと、
議論になっていることを報じている。

なんか、すごいなあ。庄司がため息をつく。

「そうですよね、結婚や出産は、個人の自由だし、
あなたは子どもを産まないからダメな女よね、なんて絶対イヤですよね」

浜田は、批判的な意見を紹介した。
だが、一方で、朝日新聞の論説委員のなかにも、数値目標を支持する意見があるというのだ。

「副作用があるかもしれないけど、今まで何も有効な手を打てなかった、と言う人もいるんですよ」

子育て支援に7千億円
「単純にあほなこと、言わせてもらっていいですか」と庄司。

「例えば、5人産んだら、国がどれだけ支援してくれるのか、
そこを分かりやすくしたら、どうなんでしょう」

「そう、今回の消費増税で、唯一、政府が頑張ってメッセージを出したのは、
子育て支援に7千億円を使いましょう、と決めたことなんですよ」

どういうこと。庄司は、身を乗り出した。

インターネットのサイトで見つけた託児サービスを利用した子どもが亡くなった事件は、記憶に新しい。
そうしたサービスにお金をかけて、公的に整備する。
あるいは、都市部で問題となっている待機児童を少なくするため、
保育所を増やす、などの政策だ。

庄司も共働きだ。認可外の保育園に週4日、息子を預けている。
1カ月に5万円ほどの保育料がかかる。
近くに義母が住んでいるので、夫婦が共に仕事の時は、
面倒をみてくれて、とても助かっているのだが。

「もしもですよ」
浜田は、またもシミュレーションをしてみせる。

お義母さんが病気になった、
あるいは、夫婦がけがをして、稼ぎが少なくなった。
そんな状況になったら?
そうなっても、負担が少しは軽くできるという狙いが、今回の消費増税にあるという。

浜田は言う。
「庄司さんは、いまは恵まれた環境にいるかもしれません。
だから身近に感じないでしょうが、いざという時に必要になるのが社会保障です」

なるほど、ただ税金をとられっぱなし、ではないのか。
少し納得できた、庄司だった。

次回は、19日ごろ配信します。

論説委員プロフィール浜田陽太郎

庄司智春より10歳年上の「バブル入社組」。初任地の宮城県でコメ農家に泊まり込み、田植えと稲刈りを体験取材。週刊誌アエラの記者時代には「コンビニで24時間ぶっ通しで働く」ルポにも取り組んだ。経済部を経て、2000年に新設された「くらし編集部」で、社会保障の取材を本格的に始める。人前で話すのが苦手という弱点克服のため、市民講座で落語を習ったときの高座名は「早口亭金朝」(緊張すると早口になるから)。6月からグローブ編集部員。

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