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12月14日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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Round 7 消費増税は何のため? 「庄説」

消費税アップを、仕方ないと受け止めていた庄司智春。
だが、自分たちが納めるお金が、どう使われているか、
きちんと知ることは、子どもたちの世代のためでもある。
芽生えた使命感を込め、「庄説」を書き上げた。

税金を払った成果、実感したい

4月1日に消費税率が5%から8%に上がり、1カ月以上が経った。
増税後も消費は懸念されていたほど落ち込んでいない――
安倍晋三首相がそんな見方を示したというニュースを目にしたが、実際はどうだろう。

契約している駐車場の料金、子どもの保育園の保育料などが値上がりした。
その結果、自分へのおこづかいは減らされた。現実はリアルだ。

今回の増税は、我々の生活にジメッと襲いかかっている。
日々の支払いが増えれば、節約はやむなし。物欲の減退を、ひしひしと感じる。
ところが、これで終わりではない。

2015年10月に、消費税の税率は10%に上がる可能性が高いという。
不安でたまらない国民は、大勢いるに違いない。

消費増税で得られた財源は、社会保障に充てられる。
年金や医療、介護を安定させ、手薄だった子育て支援も充実させる。
そう、政府は言っている。しかし、素直には信じられない。

即効性がないのかもしれないが、具体的な保障を感じることができない。
反対に、安心を与えるのでなく、将来の不安をあおってはいないか。
未来の保障を人質のようにして、消費増税を渋々認めさせる。
ちょっと、やり方が荒っぽくはないか。

税金を払いたくないとは、言っていない。払っただけの成果を、実感したいのだ。
例えば、政府は待機児童をゼロにすると宣言している。
でも、どういうやり方で実現するのかきちんと示さなければ、現実味を持って信じられない。

待機児童の問題は深刻で、自治体によっては過去最多という。
困っている家庭は多いはずだ。すばやい対応こそが、必要なのではないのか。

もっともっと、具体的な想定や政策を教えて欲しい。
老後の保障も、医療制度も、不安がつきまとう。
知らぬ間に、国の借金残高が過去最大の1024兆円になり、
国民1人あたり約806万円の借金を抱えている。
もう、笑えない状況だ。

こんな未来が閉ざされている状況では、大勢の人たちが自分が生きることに精いっぱいだ。
家庭を持ちたくても、未来設計にブレーキがかかるのは当然だ。
少子化問題を解決するため、子どもを産む目標数値を、国で決めてはどうか。
そんな有識者会議での議論までされた。

けれども、そんな目標を掲げる前に、やるべきことははっきりしている。
出産した女性が安心して働ける。年をとっても、老後を快適に過ごせる。
子どもは、夢に向かって頑張れる。そんな環境を、整えてもらいたい。

社会保障がグダグダな限り、結婚そして出産に、ちゅうちょしてしまう若い世代もいる。
消費増税によって、その一つ一つがクリアになり、目にみえて成果が出れば、
国民も少しは増税に理解を示すだろう。

論説委員から

  •  今回の「庄説」は、いまの子育て世代が抱いている感覚がとてもよく表れている。
     そして「税金を払いたくないとは、言っていない。払っただけの成果を、実感したいのだ」という一節にはものすごく重い意味が隠されている。
     自分の親が借金して家を建てたとする。「お前に残すからローン返済を少し手伝え」と言われたらまあ、納得できるだろう。だけど、親が飲食など日常生活に使ったお金を、実は借金で賄っていたとしたらどうか。
     肩代わりするのはイヤだと思うはずだ。だって、自分たちの日常生活に使うお金が減ってしまうのだから。
     こんな残念な借金をずいぶんたくさん、日本は積み上げてしまった。増税して少しずつ返すしかない。
     これからの日本は、若者が減って高齢者の割合が増えるので、給料がどんどん上がるような高度成長は望めそうにない。確かに生活レベルは昔よりずっと高いが、今後どうなるかの不安はとても大きい。
     でも逃げるわけにもいかない。庄説は「増税に見合うだけの安心を、僕たちに与えて欲しい」という締めだったけれど、安心は自分たちで創るものでもある。
     その主たる担い手は、庄司さんたちの世代だ。みんなで盛り上げたい。

論説委員プロフィール浜田陽太郎

庄司智春より10歳年上の「バブル入社組」。初任地の宮城県でコメ農家に泊まり込み、田植えと稲刈りを体験取材。週刊誌アエラの記者時代には「コンビニで24時間ぶっ通しで働く」ルポにも取り組んだ。経済部を経て、2000年に新設された「くらし編集部」で、社会保障の取材を本格的に始める。人前で話すのが苦手という弱点克服のため、市民講座で落語を習ったときの高座名は「早口亭金朝」(緊張すると早口になるから)。6月からグローブ編集部員。

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