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10月24日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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Round 10 ウクライナ情勢 「庄説」

新聞を読んでも、よく分からない、と敬遠していたウクライナ問題。
論説委員との対話を通して、他国に関心を持つことの大切さを感じた庄司智春。
初めて海外情勢をテーマとした「庄説」を書き上げた。

海外の問題に目を向けて

ウクライナでの武力衝突は、一時期よりは収まったようだが、まだまだ解決には程遠い。
いろいろな問題を抱え、緊張の場面が再び訪れはしないか心配だ。

論説委員の国末さんが6月、クリミア半島を訪れた時は、
至る所にロシアの国旗がはためいていて、
車に貼られたステッカーも、学校の卒業式で生徒に掛けるタスキも、
白、青、赤のロシア色だったという。

国末さんが僕でも分かるように、日本に例えて話をしてくれた。
北海道がロシアに占拠され、日本の国旗でなく、ロシアの国旗が掲げられる。
日本の銀行は撤退し、日本円は使えず、北海道に入るのにビザが必要となる。

もちろん、分かりやすく説明するために、大げさな例えだと思うが、
こうして日本に置き換えて考えてみると、非常に怖いことだと痛感する。

僕の妻の故郷は北海道だ。
もしも例え話のようなことが起きた場合、帰郷する時もビザが必要になり、
気軽に親族にも会えなくなる可能性がある。
ウクライナで起きている事態の深刻さを強く感じる。

そして今なお、国際社会から制裁を加えられても、ロシアはやめようとしない。
日本への影響も当然気になる。
日本とロシアは、北方領土の問題はあるが、最近は良い関係を築けていると聞く。
今回、日本も制裁に加わり、これまでの関係が難しくなるのではないかと思ってしまう。

冷戦の時は、アメリカとソ連の対立と、わかりやすいものだったが、
近年の紛争は冷戦時に比べるとややこしくなっているという。

さらにやっかいなのは、勢力を伸ばしているイスラム国のように、
国を超えた集団が紛争を起こす時代になってきていることだ。

今回のマレーシア航空機の墜落事件も、親ロシア派の武装勢力が、
地対空ミサイルを使って撃墜したとの見方が強い。
予想もしない形で、一般の人々が紛争に巻き込まれることが恐怖でならない。

こんなことは、決して許されるものでない。
しかし、どこで何が起こるかわからない世界になっていっている。
何がキッカケで大きな戦争が起きるかもわからない。とんでもなく恐ろしいことだ。

世界は、すごい速さで変わろうとしている。というか、変わっている。
インターネットの普及で海外が近く感じられ、
海外旅行にも以前より簡単に行けるようになっている。
それは、外国で事件に巻き込まれる割合が高まったことでもある。

世界の各地で起こっている紛争に、
関係のない僕らが巻き込まれる可能性はないとも言い切れない。
今ウクライナで起きている問題を、どれくらいの人が知って理解しているのか。
日本で起きていないだけに、ピンと来ていない人も多いのだろう。
しかし、自国で起きた問題でないから関係ないでは済まされない。

世界の距離が近くなっている今の時代だからこそ、他国の問題も把握しておくべきなのだ。
そして、日本が外国と良い関係を築き、平和を維持出来るようにして頂きたい。
敗戦で学び得た平和な国・日本が、もっと世界でリーダーシップをとり、平和を広げてもらいたい。

そのためには、僕たちが日本の政治をしっかりと見張る必要がある。
第1次世界大戦の開戦から今年で100年になる。多くの人が悲しみ、傷を負った大戦争。
人類における最大の失敗と共に得た教訓が世界平和なのだと思う。

この100年で、いろいろなものが進化し便利になった。
それに伴い、戦争の形も100年前とは大きく変わっている。
しかし、戦争のやり方、兵器には進化はいらない。

論説委員から

  • 戦争は普段、日本人には見えません。にもかかわらず、全然無縁でもありません。
    庄司さんの言う「どこで何が起こるかわからない世界」に私たちが住んでいるからでしょう。
    撃墜されたマレーシア機に乗っていたオランダ人や豪州人たちは、
    まさか自分たちがウクライナ紛争に巻き込まれるなどと、思いもしなかったに違いありません。
    地元ウクライナの人々にとってさえ、故郷が戦場になるなんて、1年前には想像もしないことでした。

    グローバル化はどんどん進んでいます。
    庄司さんが指摘されているように、国家以外の集団も紛争にかかわる時代でもあります。
    いつ、どこで、どんな戦争が起きるか、どこの紛争がどう私たちにかかわってくるか、もう予想がつきません。
    戦後長い間、日本人にとって戦争は遠い世界でした。

    今、アフリカや南米での争いにさえ、日本人が巻き込まれることが珍しくなくなりました。
    「見えない」「わからない」。だから、もう考えるのをやめよう!そう思うのも、ある意味で当然です。
    戦争のことを四六時中心配していたら、晩ご飯の準備だってできなくなりますから。
    でも、戦争にいったん巻き込まれると、マレーシア機の乗客や東部ウクライナの住民たちのように、
    日々の暮らしがいっぺんに吹っ飛んでしまいます。
    せっかく考えた晩ご飯の献立も、無意味になってしまう。
    だから、いつもとはいかないものの、時々は立ち止まって戦争と世界の出来事に思いをはせ、
    話し合いたいものです。
    私も、今回の庄司さんとの対話を機に、自分なりに今の世界と戦争について考えたいと思います。

論説委員プロフィール国末憲人

1987年に入社。富山、徳島、大阪、広島での勤務の後、パリ支局員、パリ支局長、日曜版「GLOBE」副編集長を経て、2014年7月から論説委員。主な担当は欧州と中東。「世界のどこにでも行くぞ」をモットーに、アフリカのジャングルの村を訪ね、シベリアの果ての街に足を運ぶ。パレスチナやイラク、グルジアの戦場で取材したことも。ただ、欧州や中東アフリカの多くの国を訪れたものの、アジアの経験は薄く、中国には行ったことさえない。身近な国をもっと知らないと。国際記者への道はまだまだ遠いと実感する日。51歳

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