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12月14日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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Round 11 カジノを日本に? 「庄説」

カジノをめぐって、朝日新聞論説委員との対談は真っ向から意見がぶつかりあった。
カジノを愛する者として、庄司智春はどうすればより良いカジノが日本にできるかを考えた。

安全かつ楽しい日本流カジノを

昨年の国会で廃案となったが、今年の国会で再提出される見通しのカジノ法案。
「統合型リゾート(IR)の整備を促す法案」などと表記されているが、
わかりやすく言うと、日本でもカジノが出来るようにってことだろう。

僕はカジノが好きなので、この法案は推進派だ。
仕事や旅行で海外に行った時、カジノがあれば必ず足を運ぶ。
カジノを目的にマカオへ旅行をしたこともある。それくらいカジノが好きだ。

競馬、競艇、オートレースなど、他のギャンブルはやらないのに、なぜカジノだけはやるのか。
それはあのカジノ独特の空気が好きだからだ。
どこかリッチになった気分を味わえて、ゲーム自体も楽しい。
もちろん、ギャンブルだからお金が増えたり、減ったりのスリルも楽しいことのひとつだろう。

ただ、世論調査でも反対が賛成を大きく上回っているのが現状だ。
確かに、反対派が言うように懸念材料は多い。
なかでも最も懸念されているのはギャンブル依存症の問題だ。
厚生労働省の調査だと、成人の5%弱の536万人が依存症の疑いがあると推計されている。

カジノを解禁している各国も依存症対策に苦心しているという。
韓国は全国にある17のカジノのうち、国民が入れる場所を1カ所のみと限定している。
シンガポールでは、地元住民は入場料の8千円程度を支払わなければ入場できず、
本人や家族の申し出で立ち入りを制約する制度を設けている。
対象者はこの2年間で2倍増え、20万人を超えたという。

推進派では珍しいかもしれないが、日本でカジノを解禁する場合、
僕はこのシンガポール方式で入場への審査を厳しくすることは賛成だ。

自国民への入場規制は、慎重にかつ安全にカジノを運営するに当たって必要なことだと思う。
入場料をとることはある程度のハードルとなり、自制ができるようになる。
プレーヤー自身にも依存症への自覚が芽生えるのではないだろうか。

一方、韓国のように自国民が入場できないカジノでは、別の問題が発生しそうだ。
行きたくても行けない人たちが、裏カジノなどをつくり、
法を無視した賭博場が多数できても困る。
日本でカジノをつくるのであれば、自国民も入場でき、
カジノをやらない人たちも納得の出来る安全なカジノにするべきだ。

なので入場料を払って、個人のデータも管理され、
家族などの申し出があった場合は入場できないシステムにすれば、
依存症の問題も少しは軽減されるのではないだろうか。

また、問題は依存症だけではない。
カジノを解禁した故に懸念される治安の悪化なども、対策を進めてもらいたい。

ラスベガスはカジノのイメージが強いが、その他の施設の充実は半端ない。
大規模なショーの数々も魅力のひとつで、各ホテルの世界観を見ているだけで、観光客を魅了している。

旅行先を決める時のポイントは、世界遺産、料理がおいしい、治安など、それぞれの人にあるとおもう。
カジノがあるか、ないかが、大きなウェートを占める人もいるだろう。
カジノをきっかけに、今まで日本に来たことのない外国人がやってきてほしい。
そして日本の素晴らしさを実感してほしいのだ。
カジノを解禁することで、日本の文化や芸能を、世界から来るお客さんにアピールするチャンスも増えることだろう。

僕はお笑い芸人なので、どうしてもエンターテインメント側からの発想になってしまう。
この統合型リゾートの中に、よしもとの劇場ができ、
漫才やコントを同時通訳で海外のお客さんに見てもらう。そんな新しい試みもやってみたい。

日本の伝統芸能の歌舞伎は、ラスベガスのシルク・ドゥ・ソレイユのショーと匹敵するぐらいの興奮を外国の人たちに感じてもらえると思う。
世界に誇れる日本の技術も盛り込んで、海外に新しい日本をアピールできるのではないかと思う。

これまで日本の芸能や文化、技術など、こちらから海外に進出する形で評価されてきたものが多かった。
しかし、カジノ解禁をきっかけに、今まで足を運んでくれなかった外国の人たちを巻き込み、
日本で、日本の素晴らしさを発信できたらと思う。

そうなるためには、推進派と反対派の議論を納得いくまでしてもらいたい。
そうすることで、日本流の、安全かつ楽しいカジノを作り上げてもらいたい。

論説委員から

  • 庄司さんと論説委員とで、ここまでスタンスが違っていたテーマは初めてではないか。
    ここは「庄説」であって、社説ではない。
    私がカジノ解禁に慎重だからといって、庄司さんを説き伏せようとしてはいけない。
    そう思いながら対談に臨んだ。
    ふたを開けてみれば、私が予想した以上に話は盛り上がった。

    カジノを早く、と望む庄司さんの立場からすれば、私が挙げた数々の懸念はブレーキでしかない。
    だが庄司さんは正面から受け止め、じっくり考えてくれたのだろう。「庄説」の節々に、そう感じた。
    日本国民には高額の入場料を課し、家族の申し出があれば入場できないシステムにする、という庄司さんの提案には、個人的には異論がある。
    一定の歯止めにはなるだろうが、それでも新たなギャンブル依存症の人々を生み出すことは避けられないのでは、と思うからだ。
    一方、カジノを中心とした施設を日本文化の発信地とし、これまで日本に来たことがない外国人を呼び込みたい、という庄司さんの夢はよく理解できた。

    カジノに反対というなら、こうした意見にもきちんと答える必要がある。私自身への「宿題」と受け止めた。
    庄司さんは「推進派と反対派の議論を納得いくまでしてもらいたい」と書いている。その通りだと思う。
    いま国レベルで進むカジノ解禁の議論は、あまりにも前のめりだ。
    懸念の声に耳を傾け、自分の意見が正しいかいま一度考える。庄司さんのような姿勢を、強く望みたい。

論説委員プロフィール加戸靖史

1973年生まれ、千葉県育ち。96年朝日新聞入社。奈良、広島総局、大阪・東京社会部を経て13年から論説委員。広島で原爆についての取材を重ね、多くの被爆者から話を聞いたことが、記者として「いのち」を考える原点になっている。論説では大阪の行政や原発問題を主に担当。1児の父。休日に息子を連れて名所旧跡や公園を回るのがなによりの楽しみ。

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