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10月17日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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Round 12 認知症と向き合う ウォームアップ

認知症がテーマと決まって、庄司智春の頭に浮かんだのは母方の祖母のことだった。
東京で生まれ育った庄司にとって、長崎のおばあちゃんとは夏休みに会うぐらい。
それでも認知症になり、その様子を母親から聞かされると、子ども心にショックだった。 shosetsu12-1_01 「病院行ったら、お母さんの名前まで分からなくて」
ああ、そんなふうになっちゃうんだ、と。

年をとるにつれ、頭をよぎることがある。
今度は母親が、ゆくゆくは僕がなってしまうのではないか。

リアリティーがあるゆえに、新聞記事を見つけても、
何となく読まずにいることが多かった。

嫌なことは見たくないからか、
無意識に避けていた。

「考えなきゃいけないけど、考えたくない。多くの人がそうだと思いますよ」

今回の対談相手である社会保障担当の論説委員、友野賀世がうなずく。

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介護、意識しないと…
庄司は39歳。親の介護が気になってくる年齢だが、より差し迫った現実がある。

妻の祖父母が近くに暮らしている。
妻は、庄司と結婚する前は母親と同居していた。

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結婚後、義母は、同じマンションの別の階で暮らすことに。
そこに、祖父母が上京し、
同居しているのだ。

2人とも90代。いまのところ元気だが、安心していられる年齢ではない。

3歳の子どもがいて、共働きの庄司家。
近くにいる妻の母は、子育てを助けてくれるたのもしい存在だ。

だが、もし祖父母の世話にかかりきりになったら、
子育てもたいへんになるかもしれない。

自分の親も70歳を超えている。
認知症じゃないが、父が入院した時は、母が毎日通っていた。
老老介護の一端を見た気がして、シビアだなと感じた。

大勢の入居待ち
「介護は、突然降ってきますから」

友野が耳の痛い現実を突きつける。

自分たちで介護できなければ、
施設に預けるしかない。

特別養護老人ホームの定員は全国で約52万人だが、ほぼ同数が入居待ちとなっている。
庄司が住む東京も入居待ちは4万人以上に上っている。

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高齢化が急速に進む日本の状況は厳しい。
日ごろから意識しないと、突然の事態に対応できそうにない。
ひとごとではないテーマ。この機会にしっかりと掘り下げたい。
だけど、とても暗い対談になってしまわないか、心配になってきた庄司だった。

次回は、14日ごろ配信する予定です。

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論説委員プロフィール友野賀世

東京都出身。1996年朝日新聞入社。三重や秋田での勤務を経て、政治部で首相官邸や国会、文化くらし報道部で厚生労働省などを担当。その後、編集委員として「高齢化」をテーマに社会保障の制度改正や医療・介護の現場、住まい、地域づくりなどを取材。2014年から論説委員。常にどこかで意識している大きな問いは「人生を、納得がいく形で全うするには?」。雑木林をぷらぷら歩くのが趣味。

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