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12月17日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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Round 12 認知症と向き合う 庄司vs.論説委員 後編

認知症の人が増えても、暮らしやすい社会にするにはどうすればいいか。
家族だけで世話をするのは、日本ではどんどん難しくなっている。
他人の助けを借りなければいけない現状なのに、庄司智春には気になることがある。 shosetsu12-3_01.jpg

介護にかかるお金
介護で働く人たちの給料が低い……

記事を読むと、待遇の低さをしきりに採りあげている。
これでは人手不足になるし、モチベーションにも関わるだろう。

「私も憤ってます。身内がちゃんとお世話してもらえないようなことになったら、困りますよね」
と論説委員の友野賀世も同意する。

特に認知症の人への対応には、
高い専門性が必要だ、と友野は言う。
コミュニケーションが難しくなり、不機嫌でも本人がうまく伝えられないからだ。

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そんな時、原因は何なのか。
便秘が苦しいんじゃないか、誰かとけんかしたのではないか……
状態を適切に見極めなくてはならない。

ただ、介護にかかる「値段」は国が決める。
税金や社会保険料が投入されるからだ。
財政状況は厳しく、お金の出し手となる若い世代は減り続け、負担を増やすのは大変だ。
なかなか現場の給料は上がらない。

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庄司は来年で40歳、
介護保険料の支払いが始まる年齢になる。
負担が増えるのも、
ある程度は仕方ないとも思うのだが…。

友野は言う。
「お金をじゃぶじゃぶ投入するのは無理でしょう。お金がないなかで暮らしやすい環境をどうつくるか考えないといけない」

1人で抱え込まないで
認知症になった人に、どんなことを望んでいるのかを尋ねたアンケート。
友野が印象に残ったのは、買い物の時にゆっくりでもいいレジをつくって欲しいという答えだった。

「認知症と診断されると絶望してしまうケースが多い。でも、進行の速度はまちまちで、生活の不便さを丁寧に解決すれば、暮らしやすくなるはずです」

友野はそのためにも、認知症を隠さなくていいんだ、という意識がカギを握るという。
認知症の本人たちが自ら政策提言する団体を立ち上げた。
介護をしている家族も、
事情が分かる者同士で悩みを共有すれば、
精神的にだいぶ楽になるはずだという。

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1人で抱え込まず、悩みを打ち明ける。
子育てと一緒だ、庄司は思った。
吉本興業には「パパ芸人」というくくりがあり、庄司も一員だ。
経験をいかして、子どもや母親向けの仕事をもらうことがけっこうある。

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「介護芸人」あっても
ならば、これからは「介護芸人」があってもいいんじゃないか。
介護を体験する芸人だって、
これから出てくるだろう。

「育児あるある」はけっこう共感の笑いがとれるけど、
「介護あるある」だってあるかも。

友野は激しくうなずいた。
「そうですね、『共感の笑い』や『温かい笑い』につながる、
ネタはいっぱいありますよ」

友野は、介護は語られ方が難しいとこぼす。
「夫婦の強いきずなを書けば“きれいごと”と言われ、一方で“介護は大変”というイメージをマスコミが強調し過ぎると批判されることもあります」

お笑いができること、それらとは違ったやり方かもしれない。
大変だということはもちろん認識しつつ、ちょっと肩の力を抜いてもらう。
そして、今まで他人に話せなかった人が、
ちょっとしゃべってみようかな、と思ってもらえる。
そんなきっかけを与えることができたら。
対談を通じて、庄司にはそんな思いが生まれた。

次回は「庄説」。28日ごろ配信します。

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論説委員プロフィール友野賀世

東京都出身。1996年朝日新聞入社。三重や秋田での勤務を経て、政治部で首相官邸や国会、文化くらし報道部で厚生労働省などを担当。その後、編集委員として「高齢化」をテーマに社会保障の制度改正や医療・介護の現場、住まい、地域づくりなどを取材。2014年から論説委員。常にどこかで意識している大きな問いは「人生を、納得がいく形で全うするには?」。雑木林をぷらぷら歩くのが趣味。

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