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12月17日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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Round 12 認知症と向き合う 「庄説」

39歳になり、認知症など介護の問題がひとごとではないと感じるようになってきた庄司智春。
これまで目を背けてしまいがちだった問題に、正面から向き合って庄説を書き上げた。

周りの理解と支援があれば

国の推計によれば、今から10年後、65歳以上の5人に1人、700万人が認知症、そんな社会に日本はなるという。
現在でも軽度認知障害と呼ばれる予備群を含めて65歳以上の4人に1人。日本は認知症大国である。

親の介護、避けては通れない問題だ。
正直に言うと面倒臭い。
現実を突きつけられるようで、若干避けがちだけど、しっかりと向き合っていかなくてはならない。

突然介護をしなくてはならない状況が来るかもしれない。
親からすれば突然介護をしてもらう状況になるかもしれない。
親と子が日常のなかで会話し、お互いに準備をするのが良いことだと思う。
そうすることで少しでもストレスも軽減されるのではないだろうか。

認知症について正しい知識を勉強しておくことも大切だ。
認知症になると何も出来なくなると思っていたが、実際はそうでもないらしい。
そこに会社の理解と工夫があれば仕事が出来ることもある。
実際に30代で認知症と診断された後も自動車販売会社で働く人もいる。
早期診断、早期絶望と思われている認知症だが、周りの理解と支援があれば状況は変わるのだ。

問題点はまだある。
特別養護老人ホームに入所できない高齢者が2013年で52万人。
待機老人がなお増え続けている。

10年後の2025年には介護職員を100万人増やす必要があると国は推計している。
現在の介護職員は約150万人で人手不足が常態化している。

人手不足の最大の理由は賃金が低いこと。
月に平均約22万円弱、これは全産業平均より10万円以上低いらしい。

これでは介護職員が足りなくなるのもわかる。
待機児童の問題もそうだが、施設の受け皿の拡大と、そこで働く人の待遇改善は考えて欲しい。

そしてまた施設に頼るだけではなく、地域ぐるみ、町ぐるみで認知症に対して理解と工夫が大事になってくる。
スーパーや銀行で「認知症サポーター」の研修を受けた従業員が増えている。
認知症の人に合わせた接客方法を学び、超高齢化社会に対応しようと準備が進んでいる。

こういう働きが日本全体に広がると認知症の人も安心して生活ができ、
介護する側も近所に認知症サポーターがいるだけで心強いと思う。

認知症でよく耳にするのが徘徊(はいかい)の問題。
家を出てしまって徘徊したまま、行方が分からなくなっている高齢者もいる。

事故に巻き込まれることもある。
そういった被害が起きないように、地域で支えていくシステムも考えていきたい。
徘徊しても安全な街づくりだ。

認知症の人を社会にどう受け入れていくかが今後、
僕たちの大きな課題になるのではないだろうか。
世界中が抱えるであろう高齢化問題に、
認知症大国である日本がモデルケースになるに違いない。

論説委員から

  • 「現実をつきつけられるようで、若干避けがち」。まもなく40歳になる庄司さんは、率直でした。
    多くの40代、50代にとって、認知症や介護は「自分も無縁ではいられない」と漠然と感じつつも、つい考えることを先送りにしてしまいがちな事柄だと思います。
    また、「親の認知症、親の介護」だけでなく、もしかしたら自分が認知症になるかもしれないし、ご近所さんや会社の同僚が、ということもあるかもしれません。

    どんな場合であっても、「隠さなくていい」「普通に話せる」雰囲気があることは、本人や家族の生活しづらさを減らす上で大きな意味を持ちます。認知症でも介護でも同じです。
    庄司さんがお笑いの仕事に引きつけて、「今まで他人に話せなかった人に、『ちょっとしゃべってみようかな』と思ってもらえる、そんなきっかけをつくれないだろうか」と語った言葉が印象に残りました。肩の力を抜いて話せるムードの拡散、期待しています。

    そして、「周りの理解と支援があれば状況は変わる」。その通りだと思います。
    自分が必要なときには、周りに助けてもらいたい。同時に、同僚やご近所さんが介護や認知症に向き合ったときには、理解して支援できる「周りの人」でありたいですね、お互いに。

論説委員プロフィール友野賀世

東京都出身。1996年朝日新聞入社。三重や秋田での勤務を経て、政治部で首相官邸や国会、文化くらし報道部で厚生労働省などを担当。その後、編集委員として「高齢化」をテーマに社会保障の制度改正や医療・介護の現場、住まい、地域づくりなどを取材。2014年から論説委員。常にどこかで意識している大きな問いは「人生を、納得がいく形で全うするには?」。雑木林をぷらぷら歩くのが趣味。

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