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12月11日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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Round 16 18歳から選挙にGO! 庄司vs.論説委員 前編
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お笑い芸人の庄司智春は、後輩にこんな説教を垂れることがある。

おまえ、選挙に行ってんのか。
行かないですよ。
えっ(舌打ち)、行かなきゃダメだろ。

先輩風を吹かすと、つっこまれた。

最近行くようになったからって、偉そうにしないで下さいよ。

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結婚するまでは
恥ずかしながら、と庄司は打ち明ける。選挙に関心はほとんどなかった。

20歳で選挙権を得たときは投票した記憶があるが、その後は足が遠のきがちだった。

変わったきっかけは、30歳を過ぎて結婚したこと。
子育てなど身近なテーマから政治に注目するようになった。

「わあ、結婚は偉大ですね。いや、奥さんが偉大なんですかね」
対談相手である論説委員の氏岡真弓は笑顔で応じた。

若い世代、投票するのか
今回のテーマは「18歳選挙権」。
選挙権が20歳から18歳に引き下げられ、7月10日投票の参院選が初めての国政選挙となる。

選挙権を引き下げる動きをニュースで知った時、庄司は「むしろ引き上げたほうがいいんじゃないの」と思った。
過去の自分もそうだったし、周りの20代・30代を思い浮かべても選挙への関心は高いとはいえない。

「じつはですね」
氏岡は、持参した資料を庄司に手渡した。
世界の選挙権年齢の一覧表だ。

ほとんど18歳だ。
庄司はつぶやく。

氏岡は「16歳もけっこうあるでしょう。ほかの国のまねをする必要はありませんが、世界の相場はこんな感じなんですよ」と説明する。

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若い世代がもっと投票に行ったほうがいいことは、子育て真っ最中の庄司は実感している。

高齢者の投票率が高ければ、政党だって、そっちにいい顔したくなるのは当然だ。
結果として、自分たちの世代が損することになりかねない。

いったん行くって決めたら、自分なりに多少は勉強する。
それで投票したら、じゃあその後どうなったのか気になる。そんなふうに習慣となっていった。

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ただ、そこまでは長いことかかった。
なぜだろう。立候補する人たちが心に入ってこなかった。

人間味を感じられないというか。プロ野球カードみたいなものでも作ってくれればいいのに、と思ったものだ。

政治は年配の人たちが決めるもので、自分たちは部外者だって感じていた。

学校で教えられる?
「その気持ち、わかります。でも、学校ではこんな試みもあるんですよ」

氏岡は教育問題が専門だ。取材で訪ねた学校では、国政選挙の前、国会議員や政党役員を実際に呼んで、生徒たちが質問を投げかけていた。

「けっこう鋭い質問もあって、政治家のおじさんがどぎまぎしてました」

へえー、面白いなあ。自分も学校でそんな授業を受けてたら、違っていたのかも。

「でも、なかなか難しいです」と氏岡。学校現場、特に公立では、「中立」が何より求められるという。

文部科学省は、18歳選挙権に合わせて、選挙制度を暗記するようなものでない、「ナマの政治」を学ばせたい。
けれど、「対立するテーマはさまざまな見方の紹介を」「先生は意見を言わない」などの縛りもかけている。
教える先生は尻込みしてしまう。たくさんの学校にすぐに広がっていきそうにはない。

投票できるようになりました。だから選挙に行ってね、と急に言われても、自分が18歳だったら正直行かないだろう。
ぼくみたいなヤツらの目を覚まさせるには、いったいどうすればいいんだろう。

次回の庄説は、7月1日ごろに配信する予定です。

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論説委員プロフィール氏岡真弓(うじおか・まゆみ)

 1984年入社、水戸、横浜支局を経て社会部。1996年から教育分野の担当記者として取材を始めた。いじめや学級崩壊、不登校、学力低下問題などの記事を書き、編集委員、東京総局次長、教育エディター(部長)を経て再び編集委員、2014年から論説委員も兼務している。

 いつも思う。教育は○か×かでは割り切れない、と。答えが一つではない。支えるのもアリ、ビシッと叱るのもアリ、黙って見守るのもアリ。子どもの目で考えるか、親の立場か、それとも近所のおじさん、おばさんの視点か。答えは人と場面と時期によってさまざまに変わる。

 論説委員室でも教育のテーマになると、各委員が次々発言し、担当する委員として、いったい、どうまとめればいいのか?と迷うことが多い。悩みが多いだけに面白い。しかも、子どもや先生の取材を通して「生の人間」に出会えたとき、記者になってよかったな、と感じる。政治も、経済も、文化も、子どもが絡めばみんな教育の話になると思っている。

  • 18・19歳240万人に選挙権 改正公選法が施行(2016/6/19)

     選挙権年齢をこれまでの「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる改正公職選挙法が19日施行された。7月10日投開票の参院選が22日に公示されて以降、新たに約240万人の18、19歳の有権者が投票できるようになる。各党は若者を意識した政策をアピールしている。

  • (社説)参院選 18歳選挙権 世代を超え考えよう(2016/6/20)

     選挙権年齢を「18歳以上」にする改正公職選挙法が、きのう施行された。国政選挙では、来月投開票の参院選から導入される。それに向けて、多くの高校が選挙の仕組みを教える授業や模擬投票に取り組んでいる。

  • 「格差、行き過ぎている」59% 18~19歳世論調査(2016/4/8)

     今夏の参院選から18歳、19歳が投票できるようになるのを前に、朝日新聞社は夏までに18、19歳になる人を対象に初めて全国世論調査(郵送)を実施、政治や社会などに対する意識を探った。社会の現状に対し不公平感を訴える声が目立つ中、経済を中心とした政策に力を入れることを望む声が多かった。

もっと「18歳選挙権」を読む

  • 18歳・19歳のギモン(2016/6/19)

     改正公職選挙法で選挙権を得た18、19歳。参院選の期間を通じ、政治や選挙への疑問に、春香クリスティーンさん、内田樹さんら識者が答えます。

  • (フォーラム)18歳選挙権について聞きました(2016/1/5)

     18、19歳の人も選挙権を持つことにより、日本社会はどう変わるでしょうか。「大人」についての考え方に影響を与えるのでしょうか。私たちは、これを機に「18歳」にいろいろな意味で注目していきたいと考えています。

  • 18歳選挙権「選挙を教える」高校 模索と懸念が交錯(2016/6/3)

     18、19歳が初めて投票できるようになる参院選を前に、全国の高校で選挙を考える取り組みが広がっている。選挙管理委員会による「出前授業」の実施校数は昨年度、前年度の16倍にのぼったが、授業で「政治的中立」をどう保つか、悩む教員もいる。

  • 高校生、選挙についての考えは? 福岡で先進的な授業(2016/5/2)

     高校生たちは、選挙について、一票についてどう考えているのでしょうか。18歳選挙権が導入される参院選を前に、福岡市の県立高校で先進的な授業がありました。その授業と、出席した600人に実施したアンケートをもとに考えました。

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