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12月14日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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Round 17
アメリカ大統領選、日本はどうなる 庄司vs.論説委員 後編
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庄司智春は毎年、ハワイの駅伝を走っている。
仕事で行っていて、そこで泊まっているのがドナルド・トランプの名前を冠したホテルだ。
芸人仲間と6人で1部屋をシェアしたのだが、広くてきれい、眺め良し。

かつてハワイで挙式した先輩が泊まっていて憧れ、自分が泊まることができた時は、本当にうれしかった。
いまも気に入っている。でも、今年は何だか、ちょっと複雑な気分だった。

大統領選でトランプが当選すれば、日本がどうなってしまうか、気になるからだ。
ホテルに泊まることが、彼を応援することにはならないだろうけど……。

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自分がアメリカ国民だったら
ニューヨークでトランプタワーを見た時は「ここにメジャーリーガーが住んでいるんだ」と現地の人に教えてもらって、すごいと思った。

実業家としてはできる人なんだろうけど、政治家としてはどうなのか。

「過激なことは言っていますが、イデオロギーに凝り固まっていたり、思想信条を押しつけたりする人ではない気がします。自分が人気をとることを、最優先に考えているタイプだと思います」と論説委員の沢村亙は言う。

人々をわかせることが生きがいみたいな?

「そうそう、テレビで人気者だったし、その能力は天才的。今のアメリカにこういう不満を抱える層があり、ここをついていけばいい、というようなことをぐっとつかむのでしょう」と沢村は言う。

確かに、自分がアメリカ国民だったら惹かれてしまうかもしれない。庄司はそう思う。

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アメリカを第一に考えようぜ、とあれだけ打ち出せば、こいつがやってくれるのかな、と思ってしまいそうだ。

殴る、殴り返す、繰り返しては
トランプは、日本の核武装を容認する発言もしている。
アメリカに頼るのでなく、日本の防衛は自分たちでやってくれ。
「世界の警察官」をやっている余裕はないんだ、と。

沢村は「彼の発言をきっかけにアメリカの中で、日本のことをそこまで守る必要はない、という雰囲気が出てしまうことが心配です」と指摘する。

平和ぼけ、と言われるかもしれないけど、深く考えずに平和に暮らしてきた、と現在40歳の庄司。
小さな子ども2人たちの将来は、そうはいかなくなってしまうのだろうか。 shosetsu17-2_04.jpg 「日本がもしかしたら核兵器を持つんじゃないか、と他の国が考えれば、自分たちも持とう、となって際限なくなるかもしれません」と沢村も危惧する。

庄司は、自分の子どもに言い聞かせていることがある。
友達に殴られても、絶対殴っちゃダメだ、と。
スケールの小さい話だけど、自分の身をどう守るかって、考え方が分かれるよなあ。

「それは基本だと思いますよ」と沢村は応じる。殴られる、殴り返す、を繰り返していたら、どちらかが勝つまで殴り続けなければならない。
そうならないための手段をしっかりと考えなくてはならない。

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しっかりと考え、注目したい
庄司は、アメリカが好きだ。プライベートでも何度も旅行している。
街並みも、看板一つとっても、格好良く見える。アメ車も大好きだ。

日本にはなくてはならない国。
一方で、頼らずにやっていきたい、という感情もある。

今回の大統領選をきっかけに、のほほんとしていないで、いろいろ考えなければいけない、と庄司は痛感している。

「大統領選にアメリカ国民しか投票できないのはおかしいですよ」と沢村は冗談めかして言う。
時と場合によっては戦争を起こし、世界中のたくさんの人たちの生き死にに影響を及ぼす。それがアメリカの大統領だ。

投票することはできない。だけど、しっかりと注目しなくてはならない。
沢村の言葉に、庄司は大きくうなずいた。

次回は「庄説」。14日ごろに配信する予定です。

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論説委員プロフィール沢村亙(さわむら・わたる)

 東京都生まれ。1986年に入社。松山、神戸での勤務を経て、社会部で警視庁を担当。これで事件記者人生かと思いきや、93年にニューヨークに赴任。いらい、ロンドン、パリ、2度目のロンドン、そして北京(清華大学の客員教員)と、計14年近くを海外勤務で過ごす。

 見かけだけは「国際派」っぽくみえるかもしれないが、帰国子女でもなければ学生時代の留学経験もなし。赴任まで海外出張すらなかった。しかも米国も英国も赴任が初めての渡航だった。当然、英語では苦労したかわり、外の世界は何もかもが目新しく「なんでも見てやろう」の気概だけは人一倍強かったかもしれない。

 思い入れが強いのは、長く過ごした欧州。ベルギーとオランダの境界では複雑に国境が入り組み、民家や店の中まで国境線が貫く村も。夜はベルギー側の寝室で寝て、目が覚めるとオランダ側の食堂で朝食をとる住民もいた。かたやアジアでは「領土」をめぐっていがみ合うせつなさを実感。そうかと思えば、英国の北アイルランドの町では、いまなおプロテスタント系とカトリック系の住民を巨大な壁が隔てる。人間の英知と愚かさが凝縮された土地を愛してやまない53歳。

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