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12月17日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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Round 17 アメリカ大統領選、日本はどうなる 「庄説」

アメリカ大統領選にこれまでにない関心がある庄司智春。
アメリカのリーダー選びが日本にも大きな影響があることを思い知らされ、自分たちと無縁でない問題として今回の庄説を書き上げた。

僕たちができること考える

米国の新しい大統領が11月に決定する。
今まで米大統領選にはあまり注目をしていなかった。
大統領が決まったことをニュースで知る程度だったが、今回はこれまでの経過などにも注目している。

それは両候補とも非常にインパクトが強い候補者だからだ。
民主党のヒラリー・クリントン氏が大統領になれば初の女性大統領。
そして何よりも、共和党のドナルド・トランプ氏の存在が大きい。

トランプ氏の数々の過激な発言は全世界で注目されている。
だが、過激さ故に恐ろしさも感じる。
トランプ氏が大統領になった場合は日本と米国との関係が今までと変わってしまうような感じがしてならない。

共和党の候補者選びの最中、トランプ氏は「日米安保条約は不公平だ」と発言した。
日本が攻撃されれば、米国は助けに行かねばならない。
しかし、米国が攻撃を受けても日本は助ける必要はない、からだという。

この発言だけを受け取ると、非常に警戒してしまうし、今まで守られてきた日本の平和の形が変わってしまうのではないかと思ってしまう。

トランプ氏の「アメリカファースト」という思想は経済的に打撃を受けている米国人にとってはうれしいことかもしれない。
僕だって、もし日本のリーダーが世界を前にして堂々とジャパンファーストだと宣言したら心をつかまれるかもしれない。

そういった意味で自己演出はうまい。
だが、争っているポストはアメリカ大統領、世界のリーダーだ。

米国は世界のリーダーとして良い時も悪い時も世界をまとめてきた。
それが自国のためだけのエゴイストな国になってしまわないかと不安を感じるのだ。

一方で、クリントン氏は華麗な経歴の持ち主だが、国務長官時代のメール問題や、最近になって体調面での不安も出てきて、まだまだ障壁がある。

どちらが大統領になったとしても、日本の国家には守って欲しいものがある。

今までと変わらない平和だ。

イギリスのEU離脱を見ても、世界の国々が変わろうとしている時代かもしれない。
変わる方向を間違えれば、今ある平和な生活を手放す可能性が出てくる。

そこで考える。僕たちができることはなんだろう。

世の中の出来事、政治や経済にもっと興味を持ち、よく理解して、みんなで議論して、どんなことがあっても平和を維持してくれる政治家を選ぶことなんだと改めて思う。

アメリカの大統領がどちらになったとしても、僕たちが選んだ日本の代表者たちが、日本そして世界の平和を守ってくれることを願うばかりだ。

庄司智春

論説委員から

  •  庄司さんにお会いした後、アメリカに出張した。クリントン氏とトランプ氏の選挙戦をこの目で見ておきたかったからだ。そして、つい買ってしまった。トランプのお面、じゃなくてバッジ。トランプ氏がスーパーマンになった図柄もある。演説会場の外には、トランプ・グッズを売る露店が立ち並び、さながら縁日だった。会場の中といえば、それこそエンターテインメントショーのノリで、すでに前座・・いや、たぶん地元の政治家だろう・・の演説が始まっている。トランプ氏は予定より2時間遅れで登場したが、待つ間も「トランプ氏は、いま近くの飛行場に降り立ちました」などのアナウンスのたびに、聴衆は「ウォー」と大喜びだ。

     ちょうどクリントン氏が、トランプ氏の支持者について「デプロラブル(嘆かわしい)人の集まり」と失言した直後。トランプ氏が「オネスト(正直)でハードワーキング(勤勉)なあなた方をヒラリーはデプロラブル呼ばわりしたんだ」とほえると、会場は地響きのような「ブー」「ヒラリーくたばれ」で応えた。

     「トランプも失言しますよね」と隣の席のおじさんに聞くと、「彼は思ったことをオネストに話しただけさ。エリートの政治家やメディアがよってたかっていじめるんだ」と憤然とした表情。批判されればされるほど人気がぐんぐん上がる「テフロン・トランプ」の一端を垣間見た。

     一方のクリントン氏の集会は、本人が話している最中はそれなりに盛り上がりはするけども、演説が終わると、とたんに、すーっと熱気が抜けていく。こちらは文化講演会のような感じだろうか。

     こうしてみると、庄司さんのトランプ評は実に的を射ている。キャラ立ち、タレント性、自己演出のうまさ・・。でも、と庄司さんは自問する。ちょっと待ってほしい。そこにいるのは、実はアメリカの大統領、世界のリーダーになるかもしれない人物じゃないの?やっぱり警戒しなくちゃね、と。なるほど、そういわれてみれば、トランプ氏は「成功した実業家」像の演出に余念がない。

     芸能の道もまた、もうひとつの自分を入念に作り上げる厳しい世界だろう。庄司さんは日々の舞台でそれを実践し、その道の人々とふだん接しているからこそ、ちょっと引いた視点で人物が分析できるんだな、と感心してしまう。もし選挙に勝てば、世界最強の軍隊の最高司令官だし、核のボタンだって手にする。「トランプ劇場」に目を奪われすぎると、肝心のそこのところを危うく見過ごしてしまうかもしれない。

     出張から戻って、この原稿を書いている時、既婚女性に性的な関係を迫ったかのようなトランプ氏の昔の会話の録音が暴露されて、火だるまになっている。さすがに、アメリカの有権者も「この人を大統領に選んで、いいの?」と冷静になるだろうか。それとも「バッシングを乗り切ったトランプはすごいヒーローだ」となるのだろうか。

論説委員プロフィール沢村亙(さわむら・わたる)

 東京都生まれ。1986年に入社。松山、神戸での勤務を経て、社会部で警視庁を担当。これで事件記者人生かと思いきや、93年にニューヨークに赴任。いらい、ロンドン、パリ、2度目のロンドン、そして北京(清華大学の客員教員)と、計14年近くを海外勤務で過ごす。

 見かけだけは「国際派」っぽくみえるかもしれないが、帰国子女でもなければ学生時代の留学経験もなし。赴任まで海外出張すらなかった。しかも米国も英国も赴任が初めての渡航だった。当然、英語では苦労したかわり、外の世界は何もかもが目新しく「なんでも見てやろう」の気概だけは人一倍強かったかもしれない。

 思い入れが強いのは、長く過ごした欧州。ベルギーとオランダの境界では複雑に国境が入り組み、民家や店の中まで国境線が貫く村も。夜はベルギー側の寝室で寝て、目が覚めるとオランダ側の食堂で朝食をとる住民もいた。かたやアジアでは「領土」をめぐっていがみ合うせつなさを実感。そうかと思えば、英国の北アイルランドの町では、いまなおプロテスタント系とカトリック系の住民を巨大な壁が隔てる。人間の英知と愚かさが凝縮された土地を愛してやまない53歳。

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