メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

11月24日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

新着記事一覧へ

Round 18 トランプ大統領の世界で 「庄説」

昨年11月のアメリカ大統領選の前に庄司智春が対談した時、トランプ氏についての話はおおいに盛り上がった。
対抗馬のクリントン氏よりはるかに。だがそれは、結局はクリントン氏が当選するという観測が前提だった。
今回は違う。トランプ大統領という現実と向き合い、庄説を書くことになった。

自国ファーストだけでなく、世界の平和を考えて

選挙中からマスコミへの口撃や暴言、派手なパフォーマンスでアメリカ、そして世界を驚かせていたドナルド・トランプ氏。
アメリカ大統領に就任して約3カ月が経とうとしている。
いまだにトランプ氏が大統領になったことも驚きだが、就任してからもその勢いは止まることはなく、今も我々を驚かせ続けている。

就任当日からTPP離脱を正式表明し、イスラム圏の国からの入国禁止、メキシコ国境の壁建設など大統領令に署名した。
そして、つい先日のシリアへのミサイル攻撃だ。

まさかまさかの連続である。

そんなトランプ大統領に対して、日本政府はすぐに日米首脳会談を開き、アメリカとの友好関係を引き続き築こうとした。
これに賛否両論はあるとは思うが、僕はこの迅速な対応は評価したい。

そしてトランプ政権の全てを受け入れるのではなくて、謙虚に順応性が高い日本らしく対応して、世界の各国ともうまく向き合って欲しい。

トランプ氏の出現から他の国でもトランプ氏のような自国ファーストを掲げるリーダーばかり出てくると世界がまとまらなくなるのではないだろうか。

間もなく大統領選があるフランスでもこのような現象が起きているみたいだ。
極右政党の女性党首マリーヌ・ルペン氏は反移民・反エリートを掲げて支持を広げている。
まさにトランプ氏である。

アクの強いリーダーたちの出現は今まで裏切られた政治不信の結果なのかもしれない。
過去のリーダーが並べたきれいごとを信じて、託しては裏切られ、それらの繰り返しによって、今度こそは現状をひっくり返してくれるんではないかと思わせる人材をどこかで求めていたのかもしれない。

数年後には日本にもこうしたリーダーが出てくるのだろうか?

僕は日本にはこういうトランプ的なリーダーは必要ないと思う。
もちろん、各国でアクの強いリーダーが出てくると日本もタフなリーダーが必要になってくるのだろうけど、トランプ氏のようなリーダーばかりになるほうが世界の未来に不安を感じる。

日本は日本らしく、したたかに世界と向き合って欲しい。

僕はアメリカが好きだし、旅行にもよく行く。
メイドインUSAの洋服も好きだ。

しかし、トランプ氏の騒動で少し今までとは違う感情が出てきているのも正直ある。
現在はアメリカの車に乗っているが、日本車に変えたほうが良いのかなとも思ったりする。

今までそんなことも考えずにカッコいいからというだけで乗っていたけど、こんな僕でもこの状況だと少しはそんなことも考えてちゅうちょしてしまう。

しかし、対談で沢村論説委員にアメリカの車には乗っといたほうが良いですよ、と言われた。
そのほうが日本とアメリカの関係が良くなると。
今後アメリカとうまく付き合うことを考えると、目くじら立てて乗り換えなくても良いのだろう。

世界中で何が起きるかわからなくなっていると沢村論説委員は言っていたが、各国が自国のことばかりを考えるのではなく、世界の平和をもう一度考えて、世界の平和が自国の平和につながると信じて欲しい。

そして日本は、その中心の一部となって世界平和に貢献してもらいたいものだ。

庄司智春

論説委員から

  •  見誤った。でも、ささやかな「弁明」をお許しいただきたい。

     前回の対談後の「論説委員から」に、昨秋、大統領選の取材で出張したアメリカ・オハイオ州でのぞいたトランプ集会での支持者の「熱狂ぶり」について書いた。

     その余韻を胸に帰国後、「ひょっとしたら、ひょっとするかも」と吹いて回ったが、「まさか、トランプが大統領になるなんて」と反応はいたって冷ややかだった。その後、トランプ氏の女性蔑視発言なども暴露され、「そうだよなあ。一つの集会だけ見てもわかんないよなあ」と私もおとなしくしていたのだった。

     少なくとも確かだったのは、大きな理想や「きれいごと」は声高に語っても、雇用がなくなり地域社会が崩壊していく庶民の不安に向き合ってくれない政治家やエリート層に対する不満は、もはや「怒り」の段階に達してアメリカ中に広がっていたということだ。

     その意味で「たとえアクが強くても、現状をひっくり返してくれる人材をどこかで求めていたのかも」という庄司さんの見方は、実に的を射ている。

     セレブや金持ちを集めたパーティーで得た潤沢な資金でテレビ広告を打てばトランプ氏なんか簡単に負かせる――。ヒラリー・クリントン氏の陣営はそう思い上がっていたのではないか。かたやトランプ氏はきわめて乱暴だけども「確実に人々に届くコトバ」で地道に支持を広げていた。

     そう考えれば、トランプ氏の当選は民主主義の「危機」ではなく、むしろ民主主義が機能した結果といえるかもしれない。

     ところで最近、ちょっとした「デジャブ」(既視)を体験した。

     フランス大統領選の取材で、極右政党の党首マリーヌ・ルペン氏の地方集会をのぞいた時のことだ。

     集まってくる支持者の顔ぶれ、ナショナリズムを鼓舞するように至るところにはためく三色旗(フランス国旗)、そしてエリートを舌鋒鋭く糾弾するルペン氏の演説スタイル――。どれもこれもトランプ集会とうりふたつなのだ。

     支持率でトップを走っていても、決選投票では「反ルペン」で結集するので、「どうせ当選できっこない」と高をくくる予測が大勢だが、どうもそれも怪しく思えてきた。

     さて、トランプ氏が大統領になったアメリカの混乱と混迷は見ての通りである。「任期いっぱいは持たない」との声があれば、「意外と2期8年まっとうするかも」と逆張りする見方もある。

     まずいのは、世界が「こんなアメリカはこりごり」と見限ることだ。危ういからこそ、できる手を尽くして関与していく必要はあるだろう。まさに庄司さんがいう「したたかに」の精神である。

     アメリカの政治はダイナミックだ。トランプ氏の大統領就任はもちろん、さらに、さかのぼってアフリカ系(黒人)の大統領誕生など、ちょっと前までだれも予想しなかったことがこの国では現実に起きる。4年後にどうなっているかわからないところがアメリカの魅力でもある。

     だから庄司さんにはアメ車に乗り続けてほしいし、僕もジャズを愛し続けようと思う。

論説委員プロフィール沢村亙(さわむら・わたる)

 東京都生まれ。1986年に入社。松山、神戸での勤務を経て、社会部で警視庁を担当。これで事件記者人生かと思いきや、93年にニューヨークに赴任。いらい、ロンドン、パリ、2度目のロンドン、そして北京(清華大学の客員教員)と、計14年近くを海外勤務で過ごす。

 見かけだけは「国際派」っぽくみえるかもしれないが、帰国子女でもなければ学生時代の留学経験もなし。赴任まで海外出張すらなかった。しかも米国も英国も赴任が初めての渡航だった。当然、英語では苦労したかわり、外の世界は何もかもが目新しく「なんでも見てやろう」の気概だけは人一倍強かったかもしれない。

 思い入れが強いのは、長く過ごした欧州。ベルギーとオランダの境界では複雑に国境が入り組み、民家や店の中まで国境線が貫く村も。夜はベルギー側の寝室で寝て、目が覚めるとオランダ側の食堂で朝食をとる住民もいた。かたやアジアでは「領土」をめぐっていがみ合うせつなさを実感。そうかと思えば、英国の北アイルランドの町では、いまなおプロテスタント系とカトリック系の住民を巨大な壁が隔てる。人間の英知と愚かさが凝縮された土地を愛してやまない53歳。

もっと「トランプ大統領」を読む

!

スクラップブックの保存可能件数が5,000件に

!

紙面イメージの「地域面」がさらに充実したものになりました

注目コンテンツ

  • 写真

    【&BAZAAR】発見!激安型落ちプリンター

    プロが教える賢い買い方

  • 写真

    【&TRAVEL】名庭×紅葉、絶景スポット

    京都ゆるり休日さんぽ

  • 写真

    【&M】じんわりおいしい王道パスタ

    今日は「D’ORO」でランチ

  • 写真

    【&w】白金で旅人とシェアルーム

    東京の台所

  • 写真

    ブック・アサヒ・コム君子危うきに近寄らず

    なんと小説の登場人物の名前

  • 写真

    WEBRONZA座間事件と若者の生きづらさ

    内面語った彼女らに応えたのは

  • 写真

    アエラスタイルマガジン鰻を粋に味わいに浅草へ

    明治40年創業の老舗の一品

  • 写真

    T JAPAN世界への警鐘を鳴らし続ける

    トレヴァー・パグレンのアート

  • 写真

    ハフポスト日本版 下着の広告と全く同じポーズで撮影した理由

    一体どうして?

  • 働き方・就活

  • 転職情報 朝日求人ウェブ