米航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所(JPL)は3日、土星最大の衛星タイタンの赤外線分析画像を発表した。土星探査機カッシーニがタイタンから33万9000キロの所を通過した2日、可視赤外マッピング分光計でデータを取得、カラー処理した。
この装置は、物質ごとに発する赤外線の波長の特徴が違うことを利用、窒素主体のタイタンの大気越しに地表の様子を観測できる。JPLによると、炭化水素が豊富な部分を黄色で、氷の多い部分を緑で表した。南寄りに白く表されているのはメタンの雲。北寄りにはクレーターらしき円形の地形も見つかった。
窒素のほかメタンが多いタイタンの大気は、原始地球の大気と似ていると考えられており、生命誕生の謎を解く鍵が得られるかも知れない。カッシーニは4年間の探査でタイタンに45回も接近する。950キロまで近づくことも計画されており、JPLは「地表の様子がさらに詳細に分かる」と期待している。
(07/04 19:53)
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