大手航空機メーカー「日本飛行機」(本社・横浜市)が科学衛星打ち上げ用の大型ロケット「M(ミュー)5」4〜6号機の開発契約で、文部科学省の旧・宇宙科学研究所に約1億8000万円を過大請求していたことが分かり、文科省は30日、同社に返還を求めたと発表した。同社は同日、利息分を含め約2億1000万円を返還した。
問題があったのは98〜01年に結ばれた6件の契約。日本飛行機は、1号機の開発で実際にかかった実績原価で請求しなければならないのに、余裕を持たせてあった当初見積もりのまま約6億780万円を請求し、支払いを受けていた。実績原価による請求額は約4億2400万円。
昨年5月、防衛庁の航空機整備事業で、同社による水増し請求が発覚、同社が今年2月に約123億円を返還した。この水増し請求をきっかけに、宇宙研を引き継いだ宇宙航空研究開発機構が昨年8月から、98〜03年度の契約内容を点検して過大請求が分かった。全額返還され、意図的な過大請求ではないと判断して刑事告訴は見送った。今後、他の取引先30社との契約も再点検する。
同社は「見積もりに過失があった。企業体質の改善に一層、邁進(まいしん)し、早期に信頼回復できるよう努めたい」とするコメントを発表した。
(07/30 22:08)
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