米国の民間航空機開発会社チームが米太平洋時間29日早朝(日本時間同日深夜)、カリフォルニア州のモハベ砂漠上空で、賞金1000万ドル(約11億円)を目指した宇宙飛行の1回目に成功した。来月4日に予定されている2回目の飛行に成功すれば賞金を手にする。
成功したのは航空機開発会社スケールド・コンポジッツ社のチーム。独自に開発した宇宙船「スペース・シップ・ワン」は、6月に世界初の民間による宇宙飛行に飛行士1人で成功した。今回はさらに2人分の重りを乗せ、航空機で上空に運ばれた後、エンジンを噴射して宇宙空間の入り口である高度100キロに到達。滑空して帰還した。BBC電子版によると、切り離した直後、危険なスピン状態に陥ったが、パイロットが立て直した。
英ヴァージン・アトランティック航空などを持つヴァージン・グループは、この技術を買い取り、世界初の宇宙観光会社をつくると発表している。宇宙船を5機つくり、07年にも商用宇宙飛行を実現させるという計画が現実性を増してきた。
今回の飛行は、大西洋横断無着陸飛行に成功したリンドバーグにちなみ、米国の起業家らが96年に設立した「アンサリX賞」を狙ったもの。3人相当を乗せた機体で、2週間以内に2回の宇宙飛行を達成した民間チームに賞金が贈られる。
同賞には7カ国の26チームが参加しているが、受賞を目指して1回目の飛行を成功させたのは、今回のスペース・シップ・ワンが初めて。
(09/30 00:49)
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