北海道大が開発した小型ロケットの販売を、NPO法人「北海道宇宙科学技術創成センター」(HASTIC)が10月から始めた。秒速300メートルで高度1キロまで飛び、価格は210万円。ロケットの一般販売は国内初といい、研究や教材向けのほかホビー用としてマニアにも売り込んでいる。横浜市西区のパシフィコ横浜で6〜10日に開かれる「2004年国際航空宇宙展」に実物が展示される。
全長1.6メートル、重さ10.5キロ。打ち上げから3秒で高度1キロに達し、パラシュートで降下する。内部に350ミリリットル缶ほどのスペースがあり、カメラや測定器などを500グラムまで積める。燃料を再充填(じゅうてん)すれば、繰り返し使用できる。
北大の永田晴紀・助教授(宇宙工学)らが開発した。固体のアクリルを液体酸素で燃やすハイブリッド方式。「火薬や液体燃料を使わず安全性が高い。ハイブリッド方式は推進力が弱いといわれるが、燃焼の工夫で実用レベルに高めた」と永田さん。コストは従来のロケットの10分の1以下と、個人でも買える範囲に抑えた。
打ち上げには2キロ四方ほどの空き地があれば良いが、専門知識が必要で、航空法の規制対象にもなるため、北海道十勝地方の大樹町に発射場を用意した。北大からチームが出向き100万円ほどで請け負う。
受注生産で納期は4〜6カ月。製造は北海道の中小企業が担当する。購入者は、安全管理などについて2日間の講習を受ける必要がある。危険なことに使われないように必ず面談して利用法を聞くという。
HASTICの伊藤献一専務理事は「本体はアルミ合金製で、部屋に飾っておくだけでもかっこいい」。問い合わせ先はHASTIC(011・708・1617)。
(10/03 06:38)
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