現在位置:asahi.com>ニュース特集>宇宙探査>月探査機「かぐや」> 記事

隕石が語る「生い立ち」 月へ〜「かぐや」探査計画・2 

2007年08月21日13時50分

 その石は、南極の氷床の上で見つかった。

写真

月から来た隕石の説明をする荒井朋子さん=東京都板橋区の国立極地研究所で

 東京都板橋区にある国立極地研究所の地下。二重の扉に隔てられ、湿度50%に抑えられた部屋に南極で採取された隕石(いんせき)が収蔵されている。世界最多を誇る1万6200個。うち9個が月から来た隕石だ。

 なぜ、月から来たとわかるのか。

 「アポロが持ち帰った石と化学組成などの特徴を比較することで判断できるのです」

 同研究所南極隕石センター研究員の荒井朋子さん(36)は説明する。中学のころから宇宙に興味を持っていて、「実際に地球の外の物質に触れたかった」と月の石を研究対象に選んだ。「かぐや」の新しい観測データに大きく期待している。

 69年に人類が初めて月に立ってから38年。アポロが持ち帰った石の研究は今も続けられている。将来の分析機器の発達を考え、研究用試料は小出しにされているからだ。隕石の研究も進み、新しい発見も続いている。南極の隕石の分析では、最近、地球から見える月の表側でもマントルが不均質だったことがわかった。

 南極以外からも隕石は見つかり、1グラム10万円で取引されることも。「一部を自由に研究に使っていいから」と、隕石商人から鑑定依頼も来る。

 これまでの研究で、月が地球と同じ約45億年前にできたこと、誕生初期にマグマの海が表面を覆っていた可能性が高いことなどがわかっている。

 しかし、なぜ地球から見える表側と反対の裏側で様相が大きく違うのか、内部はどうなっているのかなど、わからないことも多い。

 最大の関心のひとつは月の成因。地球の一部が分裂した「親子説」、別のところでできた月が地球の重力につかまった「捕獲説」、地球と一緒にできた「双子説」があるが、もっとも有力とされるのが巨大衝突(ジャイアントインパクト)説。地球に火星ほどの星が衝突して、散らばった地球の岩片が集まってできたとする説だ。

 国立天文台教授の佐々木晶さん(47)は「月表面の物質分布や内部構造が詳しくわかれば、月の起源に迫れる」と「かぐや」の観測に期待している。

PR情報

このページのトップに戻る