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「手鏡」飛ばし裏側探る 月へ〜「かぐや」探査計画・3

2007年08月21日13時49分

 月探査機「かぐや」は月の裏側の様子をのぞく「手鏡」を持っている。正体は重さ約50キロの子衛星(リレー衛星)だ。

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「かぐや」に搭載される子衛星(リレー衛星とVRAD衛星)

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月探査機「かぐや」(中央)と、分離した二つの子衛星(想像図)=いずれも宇宙機構提供

 月の裏側は、表側と様子がかなり違うが、地球から電波が届かないため、観測するのが難しかった。「かぐや」は子衛星を使って裏側の重力場の観測に挑む。目指すのは月の起源の解明だ。

 この計画に取り組む九州大学の並木則行・助教(44)は「月の地下に重いものがあるところでは重力が変化し、探査機の軌道が上下します」と、原理を説明する。この微妙なふらつきを観測すれば地下の様子がわかる。月の裏側にいるときは、このふらつき具合を子衛星経由で地球に伝える仕掛けだ。

 ただ、1メートル×1メートル×65センチの子衛星は、推進機構も姿勢を保つ装置もない。「かぐや」からの分離が成否を決める。いったん子衛星の軌道に合わせ、6秒に1回以上の速度で回転させながら、ゆっくりと切り離す。回っているコマが倒れないように、回転させた方が安定するからだ。「試験ではうまくいっていますが、分離が一番緊張するでしょう」と並木さん。

 月の石の分布から、謎を解き明かそうとしているのは、宇宙航空研究開発機構の大竹真紀子・助手(40)らのグループ。月の高度100キロから九つの波長の光を観測して、月全体を調べる。鉱物によって太陽光の反射が異なるため、いろんな波長を調べれば、場所によってどんな種類の石が多いかがわかる。

 装置が大きくならないよう、幅5センチほどのCCD(撮像素子)の上に幅2・5ミリのガラスで作ったフィルターを張り付けた特製の検出器を作った。入手できる範囲で性能が高い部品を使い「小型にした上、これまでの機器より精度は10倍に高まりました」と大竹さんは話す。

 こうした観測機器は全部で15種類。約300人の研究者が参加する大きなプロジェクトだ。「これまでの大きな衛星の3倍近い規模です」と、サイエンスマネージャを務める宇宙機構の加藤學・教授(58)は話す。

 「観測のすべての結果を元に、『統合サイエンス』として月の起源に迫りたい」と意気込んでいる。

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