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町工場の夢と技も搭載 月へ〜「かぐや」探査計画・4

2007年08月21日13時48分

 「コップを机に下向きに置くように、望遠鏡を伏せてみたらどうか」

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かぐやに搭載された観測機器の設計図を見ながら話す三浦勝弘さん(手前)と中村勝重さん=東京都三鷹市の三鷹光機で

 東京都三鷹市にある三鷹光器。従業員51人の小さな会社の一室の議論から、こんなアイデアが飛び出した。「かぐや」の超高層大気プラズマイメージャの設計を巡る話である。

 月からでないと観測できない地球の両極のオーロラ同時発光などをとらえる。2台の望遠鏡が常に地球を向くように動かす必要がある。機器は軽く、しかも打ち上げの振動に耐えられるよう丈夫でなければならない。

 「保護のために望遠鏡にフタをする必要があり、軽量化の一番の難題だった」と担当の三浦勝弘さん(47)はいう。

 どう部品を減らすか。

 そこで出てきたのが軌道に行くまで望遠鏡を衛星本体に伏せておくアイデア。これならフタ自体も開閉装置もいらない。故障の可能性は減り、望遠鏡を支える部品も軽くできる。

 「中小企業はアイデア勝負。考え続けないと出てこない」と社長の中村勝重さん(63)は話す。

 どんな人がアイデアを出せるのか。

 中村さんは「自由な発想ができる小学校のころの過ごし方で決まる」と考える。

 その素質を見るため、入社試験で裸電球を描かせる。表面に映り込んだ天井の蛍光灯や窓辺の風景を描く人、はんだの小さな突起を細かく描く人。「絵にはアイデアも性格も表現されます」

 横浜市金沢区の日本飛行機。「かぐや」の月磁場観測装置が作られた。

 衛星自身が作る磁場の影響を避けるため、12メートルの長いマストの先につけなければならない。

 たたんで小さく収納したマストをバネの力で軌道上で展開する。長さ12メートルのガラス繊維強化プラスチックに、横材やワイヤをビルの骨組みのように接着剤で100段つなぎ合わせる。

 見かけはシンプルだが、狂いなく真っすぐに接着するのは職人技。「技を受け継ぐためにマニュアル化したいのです」と担当の武内由成さん(44)は話す。

 技術者のアイデアと技の結晶でもある「かぐや」。「とにかく予定通りに動いて」。製作者たちの共通の思いだ。

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