現在位置:asahi.com>ニュース特集>宇宙探査>有人宇宙施設「きぼう」> 記事 重力わずか、植物どうなる〜「きぼう」宇宙へ(8)2008年02月15日17時25分 土井隆雄飛行士(53)が乗るスペースシャトル・エンデバーは今春、日本実験棟「きぼう」の船内保管室とともに、ある箱を国際宇宙ステーション(ISS)に運ぶ。高さ16センチ、幅と奥行き各6センチ。中にシロイヌナズナの種が入っている。東北大の西谷和彦教授(54)らが03年から準備してきた宇宙実験に使う。
数億年前、水中から地上に進出した植物は、細胞壁のおかげで重力に逆らって生きてこられた。西谷さんは90年ごろから、遠心分離器で通常の100倍を超える重力を植物に加えるなどの実験を重ね、細胞壁の秘密を追い続けてきた。 今回、ISSで1カ月ほど育てたシロイヌナズナを地上に持ち帰って調べる。重力が地上の約1万分の1の環境で細胞壁がどう変化しているか――。 「きぼう」の完成を待たず、米国実験棟にある欧州の装置を使う。西谷さんは「長く待たされているほかの研究に先んじます。とにかく成果を出したい」。 月単位や年単位で無重量状態の実験ができるISSは、宇宙滞在が2週間程度のシャトルでは実施しにくい研究ができる。当初は各種の基礎研究に活用できると期待されたが、各国の予算削減やスペースシャトル・コロンビアの事故などで建設が遅れ、規模も当初の計画より小さくなった。米国は基礎研究よりも、宇宙環境が人体におよぼす影響や対策づくりのように、将来の探査に役立つ実用的な研究に使うよう方針を変えている。 設置が順調に進めば、「きぼう」は来年にも完成する。「きぼう」を舞台にした実験は、10年までに22のテーマを達成することが目標だ。「日本の宇宙実験は新たな段階に入る」と西谷さんは期待している。 PR情報有人宇宙施設「きぼう」
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