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飛天の世界、「無重量」で表現〜「きぼう」宇宙へ(9)

2008年02月15日17時26分

 中国・敦煌から日本の法隆寺まで、アジア各地で千数百年前から描かれてきた飛天の図。宙を自由に舞うその姿を、無重量の宇宙で表現しよう――。

 「きぼう」で宇宙舞踊を披露する準備を、お茶の水女子大の石黒節子・客員教授(66)らが進めている。「きぼう」の文化・人文社会科学利用の一環だ。

 準備にとりかかったのは01年。手始めに映像に残る飛行士の動きを調べてみると、体を丸めてくるくる回ったり、エアロビクスをしたり、無重量状態でも重力にとらわれているように思えた。「せっかくの環境なのに、もったいない」

 イメージを膨らまそうと、石黒さんは敦煌の石窟(せっくつ)で飛天の壁画の前に立った。また、飛行機を弾道飛行させて約20秒の無重量状態を何度もつくり、学生らに舞ってもらい衣装や振り付けを練った。試行錯誤の末に完成したのは体を反らす動きを取り入れた独特なもの。海外の舞踊家らにも好評だ。

 国際宇宙ステーション(ISS)ならではの制約もある。パウダーやにおいのあるメークはだめだし、小道具のハスの花びらが周りに散るのも認められない。上半身裸で踊ってもらう案は、倫理的な理由でとりやめた。

 だが、芸術家としてどうしても譲れない部分はある。花びらは糸でつないで回収できるように工夫した。実験機器を黒い布で覆い、船内を即席の舞台に一変させるアイデアも実現できそうだ。

 宇宙舞踊は5分間ほど。本番で飛行士がどんな動きを見せてくれるのか未知数だ。石黒さんは「飛行士が踊っている映像をライブで公開するとおもしろいかもしれません」と話す。

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