現在位置:
  1. 朝日新聞デジタル
  2. 日中・日韓関係
  3. 日中関係
  4. 記事
2012年10月1日5時42分
このエントリーをはてなブックマークに追加
mixiチェック

「日本は安全ではない」 中国で旅行キャンセル相次ぐ

関連トピックス

 日本政府の尖閣諸島国有化への反発を高める中国で、市民の間に「日本は安全ではない」というイメージが広がっている。中国メディアは連日のように日本での「反中」の動きを報道。日本旅行を取りやめる中国人旅行客は、日本で不測の事態が生じることへの不安をキャンセルの理由の一つにあげている。

 「日本では反中国デモや抗議活動が起きている。安全上の問題があります」

 上海の繁華街、人民広場にある大手旅行会社「春秋国際旅行社」。中国人と一緒に客として店を訪れ、日本行きのツアーについて尋ねたら、そう断られた。同社は10月末出発分までの日本への団体ツアー予約客計800人強のすべてをキャンセルしたという。

 日本の政府関係者によると、5月から中国人向けの日本ビザ発給は過去最高が続き、国慶節前後だけでも5万人以上が訪日するとみられていた。しかし、中国国家観光局は、尖閣諸島の国有化後、日本への旅行客は特に安全に注意し、旅行会社に対しても慎重に取り扱うよう呼びかけた。

 日本ツアーの受け付けを続けている上海の大手旅行会社は「政府は完全に禁止していないが、もしものことがあると責任を取らないといけないので、各社ともリスクを避けている」と話す。新たな予約客にも安全上の問題を説明し、やめてもらうように勧めているのが現状のようだ。

 中国での報道だけを見ていれば、「今の日本は危険」とのイメージを植え付けられてしまうのは無理のないことだ。

 中国メディアは連日、「日本の右翼分子が中日関係を破壊しようとしている」と刺激的な言葉で非難。福岡の中国総領事館に発炎筒が投げ込まれたり、大阪の中国総領事館に墨汁入りのペットボトルが投げられたりしたことも報道され、ネット上では「中国船を撃沈せよ」との横断幕を持った日本での中国への抗議デモの写真も出回る。

 7日までの連休中に大阪へ行く予定を取りやめた上海の金融会社に勤める陳琳さん(27)は、両親から「テレビを見ていると戦争が起こりそうだ。日本人の90%が中国人を嫌いと言っているらしいし、もし何かあったら」と強く反対されたという。

 国営の中国中央テレビは、海上自衛隊の装備や米新型輸送機オスプレイの配備状況、中国軍との軍事力の比較などを詳しく報じる。このため、日中の軍事衝突を真剣に心配する人も少なくない。

 南シナ海の漁場、スカボロー礁(中国名・黄岩島)の主権を巡り、今春に中国と対立したフィリピン向けツアーは、各社とも「旅行当局から明確な指示があり、安全上の問題で一切禁止」とする。日本への対応より一歩踏み込んでいる状態だ。(上海=奥寺淳)

PR情報
検索フォーム


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介

アンケート・特典情報

朝日新聞官邸クラブ 公式ツイッター