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大手消費者金融「武富士」(東京都新宿区)の元課長らによるジャーナリスト宅盗聴事件で、警視庁は2日、同社会長の武井保雄容疑者(73)=東京都杉並区高井戸西2丁目=を電気通信事業法違反(通信の秘密の侵害)容疑で逮捕した。これまでに元法務部課長の中川一博容疑者(42)ら5人を同容疑などで逮捕しており、5人の供述や武富士本社の家宅捜索で押収した資料などから、武井会長が盗聴を指示していたと判断した。調べに武井会長は「盗聴にかかわっていません」と否認しているという。
警視庁は同日、武富士本社や杉並区にある武井会長の自宅など四十数カ所を家宅捜索し、容疑事実の裏付けを進める。元課長が持ち出した内部資料をめぐる恐喝未遂事件は、東証1部上場企業トップの盗聴事件にまで発展した。
捜査2課の調べでは、武井会長は中川元課長に指示して、横浜市にある「アーク横浜探偵局」経営の重村和男容疑者(57)ら調査業者にジャーナリストの山岡俊介さん(44)の通話内容の盗聴を依頼。00年12月から01年2月にかけ、都内にある山岡さんの自宅の電話回線に盗聴器を仕掛け、通話内容を録音した疑い。
同課は、武井会長が00年ごろ、武富士に批判的な記事を執筆していた山岡さんらの動向を探るため、盗聴を指示したとみている。別のジャーナリストに対しても盗聴した疑いが持たれている。調べでは、武井会長は盗聴の結果について、そのつど中川元課長から会長室などで詳細な報告を受けていたという。
中川元課長はこれまでの調べに「武井会長の指示でやった」「会長との間で盗聴のことを『耳の件』と呼んでいた」「盗聴内容を録音したテープは会長室で2人で聴いた」などと、武井会長の関与を示す具体的な供述をしていた。
一方で捜査2課は、盗聴があったとされる期間に武富士内部でアーク社への支出を承認した禀議(りんぎ)書を入手。その一部に武井会長の決裁印とみられる印鑑が押されていたことを重視、会長が盗聴について知っていてその費用を会社から出したとみている。
警視庁は今年5月に中川元課長を恐喝未遂容疑で逮捕後、供述の裏付けや禀議書の作成経緯を確かめるため、本社の家宅捜索で会長室などから押収した約500箱分の資料を分析し、武富士の役員ら数十人から事情聴取を進めてきた。
武井会長は埼玉県深谷市出身で66年に貸金業を創業。68年に有限会社武富士商事を設立して社長になり、74年に株式会社化し武富士と改称。武富士は98年12月に東証1部に上場した。社長、会長兼社長などを経て02年6月から会長を務めている。
(12/02 16:39)
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