井川線は千頭(せんず)駅でSLが走る大井川鉄道本線と接続する。どっどっど……。SLの轟音(ごうおん)が体感できる線路脇に、「井川メンパ」ののぼりが立つ。 メンパは、井川線でつながる山間の井川に伝わ…[続きを読む]
川根両国駅に近い両国吊橋(つりばし)は長さ145メートル、高さ8メートル。真下に井川線の線路を望む。たもとに「川根茶」と書いた大きな湯のみのモニュメントが立つ。「つり橋茶屋」の入り口だ。 30年前…[続きを読む]
寸又峡に向かう千頭森林鉄道(1968年廃止)の分岐点だった沢間駅。大井川をはさんで対岸に、木材の大量輸送を担った往時をほうふつとさせる貯木場が広がる。沿線のエコツーリズムを手がける一般社団法人「エコ…[続きを読む]
地名が先か、名前が先か。土本(どもと)の駅前には、たった3軒の土本集落がある。全員土本姓で一人暮らし。94歳男性、85歳女性と、政江さん(83)だ。 政江さんは、観光客らに「政ねえ」の愛称で慕われ…[続きを読む]
川根小山は貨車用の側線を含む3本の線路を持つ交換駅だ。今でこそ乗降客は少ないが、かつてはにぎわった。108年前、大井川水系初の小山水力発電所が造られたからだ。 大井川は駅近くで、牛の頭の形に大きく…[続きを読む]
井川線の14駅中、有人駅は北から順に井川、接岨峡温泉、奥泉、千頭の4駅。駅員は個性派ぞろいだ。 奥泉駅に列車が止まると、がっちりとした肩幅の駅員平川辰巳さん(28)が「ようこそ」と書いたプラカード…[続きを読む]
長島ダム―アプトいちしろ駅間は90パーミルと日本一の急勾配。1キロで標高差90メートルを登る計算で、列車が滑ってしまうため、線路の真ん中に歯形のレールを設置し、電気機関車の腹にある歯車とかみ合わせて…[続きを読む]
井川線は、2002年の長島ダム完成で大きく姿を変えた。大井川がせき止められて出来た接岨(せっそ)湖に「犬間」「川根唐沢」「大加島仮乗降場」の3駅が水没。新たに東から順に「奥大井湖上」「ひらんだ」「長…[続きを読む]
「ひらんだ」は漢字だと「平田」。難読のため、駅名は平仮名表記となった。近くに同名の集落があるものの、駅周辺は普段、ひとけがない。ホームに降り立つと、眼前に長島ダム建設でできた接岨(せっそ)湖が広がる…[続きを読む]
井川線には秘境もあれば絶景もある。 接岨峡温泉駅から南へひと駅、奥大井湖上駅は「インスタ映え」の横綱だ。エメラルド色のダム湖の真ん中、突き出た半島の先に、まるで湖面に浮かんでいるかのように駅がある…[続きを読む]
接岨峡(せっそきょう)温泉駅の駅長室に詰める長嶋勝さん(75)の一日は忙しい。駅の隣の温泉旅館「森林露天風呂」の経営者。朝7時からの風呂掃除を終えると、8時にはバイクで約13キロ離れた千頭駅へ。郵便…[続きを読む]
秘境駅探訪で知られる牛山隆信さんの「秘境駅ランキング」で、尾盛(おもり)は堂々の全国2位。「外界からの道なし」「山犬の遠吠(とおぼ)え」。そんな特徴が列挙されている。うっそうとした杉林の中にあり、タ…[続きを読む]
終着駅の先にも線路は続くのか? 大井川鉄道井川(いかわ)線では、続く。 静岡県中部を南北に貫く大井川。流れに沿うように走る大井川鉄道の本線からさらに北、山深い地を目指して井川線は延びる。本線終点…[続きを読む]