築地

築地河岸ことば

 日本橋魚河岸と京橋大根河岸、ふたつの河岸がルーツの築地市場。だから、ふだん着の築地市場の呼び名は「河岸」。河岸の日々の言葉を、「あ」行からたどります。

わかいし【若い衆】時は巡り、河岸は続いていく

ろうびき【蝋引き】昔ながらの知恵、結婚招待状にも

れいとう【冷凍】いざ伝授、築地仕込みの冷凍テクニック

るーつ【ルーツ】家族の歴史、光をあてる「問屋名簿」

りんじとうきょううおいちば【臨時東京魚市場】いっそ改名する?

らんどりー【ランドリー】近代クリーニングの草分け

よくおんえん【浴恩園】市場の地中、お宝が眠っている?

ゆき【雪】タイヤはきしみ、河岸の歯車も狂う

やごう【屋号】世代をまたいで、つづれ織り

もりまごえもん【森孫右衛門】河岸の開祖は、海賊衆?

めそ【メソ】小さき魚にも深い愛

むきこ【剥き子】子どもたちも稼ぎを自慢した

みがく【身欠く】ニシンを磨くのではありません

まかない【賄い】プロが食べる取っておきレシピ

ほれる【惚れる】後先考えずに競り落としてしまう

ぺだる【ペダル】三角乗りは、大人への階段

ふちょう【符牒】店のものだけの値付け、どう決める?

ピンコロいし【ピンコロ石】アッピア街道の哀愁

ひとひとひと【一一一】生きてるように数えろ

はよざい【おはようございます】音があふれ出す合言葉

はつに【初荷】一日限りの色の氾濫、一年願う心意気

ばさら【場浚】残品一掃、場をひとさらい

のっけかけ【のっけ掛け】名物メニューは馬方のために

ネコぐるま【ねこ車】ポチのお散歩風なのに、なぜネコか

ねえさん【ネエサン】貝むき包丁、二人の子を育てる

ぬれて【濡れ手】魚屋らしい手ができるまで

にゃんこせんせい【にゃんこ先生】築地のネコは何を食べているか

にぬし【荷主】産地の顔を届けてくれる

なやみ【悩み】もがける日を夢見て

なかまがい【仲間買い】魚の貸し借り、生き残りの知恵

とばす【都バス】乗ったら分かる、魚河岸バージョン

とうきょうしじょうえき【東京市場駅】モデルはNYの市場

てやり【手やり】お年を聞いたら指が勝手に

でぇーこがし【大根河岸】ハイカラ野菜が時代をリード

つぶし【潰し】料理人の命に生まれ変わる

ちょうば【帳場】店を支える秒速の気配り

ちゃや【茶屋】江戸から続く優れものシステム

だんべ【ダンベ】「海のダイヤ」をがっちりガード

ターレ【ターレット】発想のもとは、戦艦だった

たびもの【旅物】大事な魚が旅立つ日

そっくり【そっくり】これぞ河岸流「大人買い」

セリ【競り】女性が立つのも当たり前に

すしや【寿司屋】だんな衆の「サロン」だった

ションベン【小便】「まじかよ」「かんべんしてよ」

じゃんけん【じゃんけん】セリの勝負に仁義あり

したづけ【下付け】 数字の羅列でしのぎを削る

しけ【時化】どなり、走り、人も化ける

さんばし【桟橋】隅田川と江戸湾の境は、どこ?

こものや【小物屋】小さなたねでも大きな誇り

こぞう【小僧】 時代を変え、歴史を築いてきた先人

ごしゅうぎそうば【ご祝儀相場】マグロよりも実はマツタケ

こぐるま【小車】乗せても切っても昼寝でも

こおり【氷】かき氷特盛り、一日70万杯

げんばくマグロ【原爆マグロ】第五福竜丸の悲劇、市場の片隅に

げた【下駄】VIP待遇のお立ち台

くりから【倶利迦羅】かば焼きは敷居が高くても

くら【倉】猛暑の夏でもストーブ囲む

ぎんりんぶんこ【銀鱗文庫】 歴史と人が交わる知の岸辺

きゅういち【休市】 異例の休みが近づいてきた

カルパッチョ【carpaccio】河岸に新風送った偉大な料理

からほ【殻ホ】ほの字異変で、高嶺の花に

かぶと【兜】魚の王様、頭だけでも別格

かしびけ【河岸引け】波打ち際に立った時の、あの感覚

かいだし【買い出し】浮気されても待ってるわ

かいたい【解体】 マグロは「おろす」んじゃないの?

かいこうばし【海幸橋】骨太アーチ、記憶のかなたに

おやじ【親父】店の主人にして実の父親以上

おっつけ【押っ付け】 こうして信頼が生まれる

おさかなかるた【お魚カルタ】 戦前の最後の輝き

おかず【おかず】究極の食いてえ魚

おおもの【大物】築地の呼び名、ドンピシャリ

えどまえ【江戸前】 時代とともに外へ外へ

うろこのながぐつ【ウロコの長靴】 女子が履いてもかっこいい

うれねえ【売れねえ】昔は芸者の頭でした

うま【午】 目黒の殿様ならずともウマッ

うおがしすいじんじゃ【魚河岸水神社】 これからも見守って

うおがし【魚河岸】 日本橋のDNA、脈々と

いのいちばん【イの一番】迷宮の歩き方、教えます

いっぽんじめ【一本締め】 苦労があるからポンが生きる

いけメン【活けメン】 渡れない河があっていい

いけば【活け場】 魚たちのエリートくん

あにき【兄貴】 わけあり、耳打ちのワケ

アナゴぼうちょう【アナゴ包丁】 魂が抜け落ちても

あたまをはねる【頭をはねる】 決して目利きになれねえ

あさひ【朝日】 一日の終わり、一日の始まり

あがる【上る】 小さなことにも縁起をかつぐ

あかもん【赤物】 タイがなきゃ、かっこつかない

福地享子

プロフィール福地 享子(ふくち・きょうこ)

 宮崎県生まれ。婦人画報社の編集者を経てフリーランスに。ファッション誌や料理本などを手がける。1998年、築地市場の水産仲卸「濱長」のチラシ作りを頼まれたことをきっかけに同店で働き始める。2010年から築地市場の文化団体「築地魚市場銀鱗会」の事務局長。著書に『築地魚河岸 寿司ダネ手帖』、編著に『向田邦子の手料理』など。

主な著書
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