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民主党幹部は日米同盟に好意的、と分析 米公電訳

2011年5月10日11時36分

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発信地:東京 日付 2009/8/7 分類:秘

「民主党に見る、選挙前の対米観の多義性について」

1.要約:自由民主党を親米として、野党民主党を米国益に非友好的な党と描くメディアの記述は、過度に単純化されている。民主党議員は自民党議員よりも、日米同盟に関する諸問題に、疑問をより鮮明に示してきたが、国内政治の事情や民主党指導層の米国への好意的な態度を考慮すると、現実はもっと種々のニュアンスを含んでいる。民主党は政治的イデオロギーにおいて広範な広がりを見せており、もし8月30日の総選挙で勝てば、米国に関する外交問題について、共有できる政策の下で所属議員をまとめなければならない。「日米同盟の最重要性」と言いながら、より自立した外交方針を掲げる鳩山由紀夫・民主党代表の最近の発言は、日米関係におけるあいまいさの典型例だ。しかしながら、鳩山はオバマ大統領との「信頼の関係」を一刻も早く構築することを望んでいる。要約終了。

米国関連の争点における最近の民主党の立場

2.「政治的変化」のキャンペーンの一環として、民主党は自民党との差別化を模索してきた。民主党の指導層は、日米関係の様々な側面において、ためらいとジレンマを示す公式見解を発してきた。恐らく最も広義で、最も理解されていないものが、(日米)両国間の更なる「対等な関係」だ。鳩山代表は、特に外交と安全保障分野において、日本は米国からもっと自立するべきだと言う。彼個人が反米ではないとはいえ(政治的に保守的で、スタンフォードを卒業した点を含めて、鳩山は米国との強い個人的なつながりを持っている)、鳩山は、民主党は自民党とは異なる外交政策を持つ党であると見せなければならず、同様に、米国との安全保障上での協力に疑念を抱く党員との信頼関係も維持しなければならない。

3.民主党員は、自民党主導の政府や安全保障政策を攻撃する、手頃な政治的争点として、同盟にターゲットを定めた。沖縄からグアムに米海軍を移す費用負担への日本政府の関与について、実際の金銭的負担と、透明性・情報公開への意欲がないと見られている点から、多くが不満を表明してきた。彼らはまた、普天間空軍基地を沖縄各地の代替施設に移転するというロードマップの合意も批判してきた。ついには、日本政府による不適切な情報隠蔽(いんぺい)だとして、多くの民主党員が、米軍維持のための思いやり予算を批判してきた。同様に、同盟の運用よりもモラルや福祉に比重を置く計画には、日本は資金を出すべきではないとも指摘した。

4.参院での過半数割れ、そして8月30日の総選挙で多数派になる保証もないなかで、民主党は、特に日米の安全保障上の協力に様々な視点からイデオロギー的に反対する社会民主党など、小さな政党の立場を考慮しなくてはならない。「自衛隊によるインド洋沖の給油活動は新内閣の下でも継続される」との岡田克也・民主党幹事長の発言の後、鳩山代表は、社民党からの強烈な反対に向き合う羽目になり、給油活動は、民主党の9月の政権移行で即廃止にはならないものの、2010年1月の期限切れの時に更新はされないことになった。

5.とはいえ、衆院選が近づくにつれ、そして民主党の優勢がますます確実になる中で、この党(民主党)は、諸問題でしばしば勇ましかったレトリックを著しくトーンダウンさせている。例えば、最近公開された「マニフェスト」(党綱領)から民主党の反米スタンスが消えたことは、同盟事案について、より現実的な立場へのシフトを示している。民主党の政策立案アドバイザー××××は8月6日、「これは、我々は勝つかもしれず、そうなれば、より責任ある政策を練らなければならないという我が党の認識の反映だ」と語った。

民主党内の幅広い見解

6.民主党の外交、安保政策の専門家の中には、一般的に米国と日米同盟に好意的な立場を示す有力者が多い。彼らの中で、小沢一郎は、かつては政治家人生において同盟への理解者だったが、最近は国内政治における人気集めのために、反米的な外交政策(の公表)を利用している。現在の民主党代表の鳩山由紀夫(スタンフォード卒業生)も、岡田克也・幹事長も、前原誠司・副代表も保守的なバックグラウンドを持ち、一般的には親米的な立場を支持してきた。米国と緊密に協調してきた、他の民主党指導層には、長島昭久(党幹事長代理、SAIS卒業生)、渡辺周(党幹事長代理、コロンビア卒業生)、末松義規(青少年問題特別委員長、プリンストン卒業生)、榛葉賀津也(中東専門家、オベリン卒業生)、白真勲(影の内閣外務副大臣、朝鮮日報日本支部の前代表、公私で頻繁に訪米経験あり)がいる。

7.安保・外交の専門家ではない者でも、日米同盟や米国に好意的な立場を維持している有望株が多く、舞台裏で我々の目的を推進する上で、(都合の)良い立場にいる。この中には、山岡賢次(略)、安住淳(略)、枝野幸男(略)、玄葉光一郎(略)、仙谷由人(略)、野田佳彦(略)、小沢鋭仁(略)、松野頼久(略)、福山哲郎(略)がいる。山岡、安住、福山は、現在の自民公明連立政権と交渉する能力の高さでよく知られている。枝野、玄葉、仙谷、野田は民主党の岡田幹事長と近い関係にある。小沢(鋭仁)と松野は鳩山代表の側近であり、東京大使館とも密接に連携している。

8.日米同盟の重要性に関わる諸問題で時々反目的な対応をするため、一部の民主党議員はしばしば反米と見られている。しかしながら、彼らの立場の現状は、より複雑だ。例えば、山口壮(前次の内閣外務副大臣)は、一方では親米的であり、もう一方では米国の政策に懐疑的であり、この間にいる。外務省の元役人である山口はワシントン、北京、ロンドン(ここで小沢一郎と出会い、出馬を決断した)で勤務していた。山口は現在の日米関係は兄と弟の不平等な関係にあると捉えており、日本の役割を大きくしたがっている。彼は日米地位協定の見直しや現在の普天間移設計画への反対を声高に唱えている。このグループの他の民主党議員には、鉢呂吉雄(民主党、次の外務大臣)と横路孝弘(前衆院副議長)がいて、両者は自衛隊による海外活動に反対する旧社会党議員である。赤松広隆(略)、金田誠一(略)、横光克彦(略、オリジナルはカツヒロと誤記)らは日米同盟の特定事項への反対を表明している。

鳩山はオバマ大統領との緊密な関係を望んでいる

9.米国関連の諸問題に関する幅広い立場があるとはいえ、民主党の鳩山由紀夫代表と他の指導層は、民主党政権は、日本のより自立した外交政策の発展を目指しながらも、米国と協調を続ける方針を明確にしている。7月31日の国内メディアとのインタビューで、鳩山は「日米同盟は最も重要だが、米国に頼らず、より自立した外交政策を発展させることは必要である。アジアと米国の両者に軸を置く外交姿勢が必要である。安全保障において、適度の距離をはかることは可能である」と述べた。鳩山発言の、この最初の部分は、安全保障と外交分野での米国からのシフトを示唆しているようではあるが、彼の結論はそうではなかった。彼は、「最も重要なのは、オバマ大統領とどのように信頼関係を構築するか、だ。この関係を土台に、我々は情報を集めて、包括的な見直しに着手する。基本的な外交姿勢を変える意図はない」と言った。米国との一層の関与を求める民主党指導層の支持の表れとして、メディアは8月1日、鳩山が国連総会とピッツバーグサミットへの参加に意欲を示したことを報じた。××は東京大使館に「民主党はこの二つの場を、鳩山がオバマ大統領と個人的で関係を構築する良い機会だと捉えている」と述べた。

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