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「あまりに突然…」無念の涙

2008年6月9日15時6分

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写真武藤舞さん写真中村勝彦さん写真宮本直樹さん(高校卒業アルバムから)写真川口隆裕さん

◆21歳武藤さん

 東京芸術大音楽学部の4年生だった武藤舞さん(21)は8日、デジタル専門店ソフマップの携帯電話販売コーナーで働いていた。短期派遣社員だった。路上で仕事中、被害にあったとみられる。

 高校時代の同級生は「友達も多く、クラスのムードメーカーだった」。大学の学友は「音楽も生協の活動も何でもできる人で、頼りにされていた」と話す。

 イベントやコンサートを企画する会社を目指して就職活動をし、複数の会社から内定をもらっていた。研究熱心で成績もよく、凶行に遭う前日の7日夜も、キャンパスで夜遅くまで勉強していた。

 事件現場には9日未明から友人が次々と訪れた。大学の同級生の女性(22)は飲み物を供えてしゃがみ、「あまりに突然でショック。犯人に言いたいことはたくさんあるけれど、口にしたくない」と涙を流していた。

 東京芸術大は9日午前、「優秀な学生が今回の事件で亡くなられたことは断腸の思いであり、深い哀悼の意を表します」とのコメントを出した。

◆74歳中村さん

 この春まで歯科医をしていた中村勝彦さん(74)はパソコン関連の買い物で長男と秋葉原に来ていた。

 妻(74)は「いつもは夫から『一緒に行かないか』と誘われるのに、この日に限っては長男と2人ででかけました。『昼も済ませてくる』と機嫌よく話していました……」。

 専門は矯正歯科。日本大歯学部で講師もしていた。知人らの話では、趣味の写真撮影のために世界を旅していた。今年3月に歯科医を引退後、撮った写真をパソコンで整理していたという。

 妻は「無念としか言いようがありません。やりたいことが、まだ、たくさんあったと思います」と話した。

◆33歳松井さん

 松井満さん(33)は現場近くの病院に搬送されたときにすでに心肺停止状態で約4時間後に死亡が確認された。近所の人によると、両親と満さんと弟の4人家族。松井さんの弟の同級生(30)は「松井さんは面倒見がいい人で、昔はよく遊んでもらった。アニメ好きだったから秋葉原に行ったんだろう」と話した。

◆19歳川口さん

 東京情報大2年の川口隆裕さん(19)は腹部の出血で亡くなった。父の健さん(53)によれば、小さいころからパソコンやゲームが好きだった。健さんは9日、「優しい子で、一人っ子の寂しさもあってか、友達の家に泊まりに行き、周囲に好かれていた……よくもおれの息子を殺してくれたな」と口元をふるわせた。

 小中学校で同級だった男子大学生(19)は中学で同じハンドボール部に所属。川口さんは、まじめに練習に取り組んでいたという。「残念でならない。あんなにおとなしい人を」と言葉少なに話した。

 川口さんは8日、友人と4人で映画を見に秋葉原を訪ねた。友人の一人、東京電機大学2年の藤野和倫(かず・のり)さん(19)も亡くなった。トラックにはねられた際のけがが死因とみられ、母親は救急治療室の枕元で息子にすがりつくように泣いていた。

 父親は9日午前1時すぎ、自宅に戻った。「あまりに突然のことで、悔しくて悔しくて仕方ないです。何か悪い夢を見たようです。息子がかわいそうです」と憔悴(しょうすい)した様子だった。

◆31歳宮本さん

 宮本直樹さん(31)は墨田区の病院で亡くなった。病院によると、現場では呼吸と脈があったが右胸の刺し傷が致命傷になったという。宮本さんの父惇彦さんは9日朝、「とてもショックで息子のことで取材を受けたくない」と話した。

◆47歳小岩さん

 小岩和弘さん(47)も、背中の1カ所の刺し傷が原因で別の病院で失血死した。

 知人によると、小岩さんはおとなしく子煩悩な人で、息子をオートバイの後ろに乗せて出かけるのをよく見たという。遺族は報道関係者に「とにかく今は憔悴し、夜も眠ることができません。私たちは故人をしのんで静かに見送りたいと存じます」とのコメントを出した。

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